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2010/10/15

 JunkStage読者のみなさま、こんにちは。
やっと涼しくなってきましたね、今回は秋らしいイベントに行ってきたレイナです。

10月某日、世田谷プラネタリウムで行われた、JunkStageライター・天文学者の阿部新助さんの講演会に行ってきました。

「小惑星探査「はやぶさ2」へ向けて」

実は阿部さんには先日、JunkStageRdioにも生出演して頂きました。
そのときはMCとしてお話させていただきましたが、収録では聞けなかった話をもっと知りたい!と、今回の講演にお邪魔してきました。
(収録した番組は10月15日(金)23時から公開です!番組ページはこちら

小雨の中向かった世田谷区の教育センターは、駅から徒歩15~20分ほどの閑静な住宅街にあり、図書館が併設されている、落ち着いた雰囲気の建物でした。
ここのプラネタリウム、入口のイラスト入りポスターで改装したばかりだというのは分かったのですが、中で解説を聞いてびっくり!なんと現在世界最多の1億4千万個の星が投影できる最新機器が設置されているのですって!
(数年前話題だったメガスターが170万個だったことを考えると、いかに凄いかがわかります。)
そんなに必要なのかな?という疑問も頭をかすめますが(笑)、ともあれ世田谷で世界一が体験できるなんて、とテンションが上がります。

さて、講演タイトルで分かる通り、阿部さんは「はやぶさ」に開発時から関わったという気鋭の天文学者さん。
はやぶさ帰還のときも、撮影・データ採取をする光学班としてオーストラリアのウーメラ砂漠へ行かれた方です。

前半は小惑星のタイプや、阿部さんが開発時に関わった搭載機器について、はやぶさ、イトカワ、他の小惑星のサイズなどの学術的な内容でした。

ちなみにはやぶさは業務用冷蔵庫、イトカワはスカイツリーと同じくらいだそうですよ。思ったより小さい!
資料映像で、イトカワの写真の横にスカイツリーの完成予想図を並べて見れてくれるおちゃめな阿部先生(笑)。

中盤の見どころは、はやぶさのロケット発射のときの映像!搭載カメラからの映像が大迫力でした。
阿部さんが、
「このとき、行ってらっしゃい!とはいったものの、正直帰ってくるとは思ってなかった。」
と話されたのが印象的でした。
後から他のスタッフにも質問した所、何人かは同じように感じていたらしいです。
それだけ難しいミッションだったんだ、ということが伺い知れますね。

後半は実際にオーストラリアでの体験について。
プラネタリウムのドームの大画面で見る、赤い砂漠。その中央を通る、果てしなくまっすぐな道の写真や、車の前に飛び出してきたカンガルーの写真は大迫力。
(ちなみにカンガルーが飛び出してきた場合は「轢け」というレクチャーを受けたそうです。)

そして「はやぶさ、おかえりーっ!」の動画

webで公開されている映像2種類の他に、研究資料用のスペクトル映像も見せて下さいました。
どの映像で見ても、はやぶさの最後の光は、とても美しく輝いていました。

hayabusa1.jpg
(C)JAXA

最後は南半球の満天の星空を投影して、けぶる天の川と南十字星を見ながら、
「僕らが見ていた場所からは、はやぶさはここを通ったんだ」
と指し示してくださる阿部さん。
7年の歳月と、砂漠への遠路を伴った旅路、おつかれさまでした。

 kids.JPG
(質疑応答では子供に大人気の阿部先生。館長さんいわく、こんなに子供が集まるのは珍しい、とのことです。)

打ち上げの飲み会では熱い天文トークが交わされたり、阿部さんの学生時代のやんちゃ話とかもありましたが、それはまたの機会に。
そして今まさに「はやぶさ2」の予算が取れるか取れないか、という瀬戸際らしいです…!
「政策コンテスト」ページ内で10/19までパブリックコメントを受付ているそうで、ネットからも意見可能です。
(ユーザ登録が必要ですが、登録すれば他の事業に関しても意見を投稿できます。)

興味が有る方はぜひ。私も一筆書いてみました。
阿部さんの記事「はやぶさ2からのお願い」はこちら
政策コンテスト、はやぶさ2に関係する事業の意見募集のURLはこちら

講演会の最後の資料はこんなページでした。
onegai

2010/10/15 05:00 | sp | No Comments