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2013/01/29

その、「にゅにゅにゅ~」が、数百円。

結婚し家庭を持った今でこそ、そういったことを少し気にするようになりましたが、 今より遥かにビンボーだったというのに、学生の頃は全く気にも留めず、 「にゅにゅにゅ~」と豪快にひりだしていました。絵の具。 まるでそれが目的かのように。   そのうえ、その「にゅにゅにゅ~」を全部使うのかというとそうでもなく、 ほとんど棄てることになるのです。 なんてもったいない。

使う絵の具の量は描く人それぞれですが、ある程度の量を実際に画面にのせてみないことには、 そして失敗に次ぐ失敗をしなければ適量をつかめないということもあり、 (そんなことナイと思いますが)

まあとにかく、「にゅにゅにゅ~」なのです。

絵の具は、本来は主となる顔料をポピーオイルで練ったものなのですが、 顔料のほとんどは天然の鉱物を粉末状にしたもので、その希少度によって、 安価なものから目ン玉とベロが月までスっ飛ぶ高価なものまで様々です。

 

安価なものでは、土系の顔料のもの。

例)イエローオーカー : 天然黄土

高価なものでは、希少鉱物系の顔料のもの。

例)バーミリオン : 硫化水銀(辰砂 通称「賢者の石」)

 

これらを含め、色々な色の絵具が、価格に準じて A~H と ランク分けされて販売されているわけなのですが、 Hクラスになりますと、一番小さなサイズですら、一本約2000円。

つまり、にゅにゅにゅ~が2000円。

ね。目ン玉スッ飛ぶどころかゲボ吐く衝撃でしょう。

そのうえさらに、絵具メーカーによっても価格はマチマチで、 同じ色でもお高いものがあったりと、もうどうにもなりませんよ。

 

さて、僕も含め絵を描く皆さまは、 どこにこだわりを持ち、絵具を選ぶのか。

練りの硬さ、柔らかさという点も選択の基準ではありますが、

ズバリ、発色。と僕は思っています。

では、発色の良し悪しはどこで決まるのか。

それは、「混ぜ物の量」です。

油絵具は、上記のように顔料をポピーオイルで練ったものなのですが、 体積を増すために、そのほとんどに体質顔料を加えてあります。 この体質顔料はアルミナホワイトという物質で、 油で溶くと透明になるという性質をもっており、 絵具の量増しにモッテコイなのです。

しかしながら、それを混ぜることで本来の顔料の持つ発色は、 混ぜる量に応じて失われます。 鈍く、乳白色に変化してしまうのです。

 

純度の高い絵具を選びたくなるのが人情。

しかし、そういった絵具は高い。

いやいや、そうでなくても、絵具は高い。

いったい何が言いたいのかって?

 

「絵具は高い。」ってことさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013/01/29 05:40 | fukui | No Comments