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2010/11/28

昨日は歌会に行ってきました。

あ、歌会というのは短歌の人たちが集まって

それぞれ自分の歌を持ち寄ってね、

で、おたがいに提出された歌(のことを詠草というんだけど)

について、その歌のいいなって思うこととか

うーん、ちょっと自分にはしっくりこないなってことかを

おたがい忌憚なく語らう集まりのことです。

いやまあだいたいそんな感じ。

ぼくはもともとネットで勝手にひとりで短歌を詠みはじめて

ブログとかmixiにできた歌を特に誰に見てもらうというのでもなく

わりと淡々とアップするところからはじまっているのですが

まあそのあとラジオとか雑誌に投稿したり、

ネット上の文字でのやりとりによるインターネット歌会に参加したりして

それで、いろいろやってみてそれはそれでじゅうぶん楽しかったんだけど

最終的に短歌の結社に入ったのは、現実の歌会に参加してみたかった

ということがあるんですよね。

べつに結社に入ってなくても参加できる歌会もあるんだろうけど

そもそもそういう情報自体がどうやって入ってくるのかもわからない

身近に短歌やっている人がいるとかそういうつながりも

まったくないところからのスタートだったので

「やってる人たち」の集まりに入ってみるのがいいだろうと思ったのね。

わりと単純な動機ー。
 
 
 

その中で「未来」を選んだ理由は、ぼくの好きな歌人さんである

加藤治郎さんがいらっしゃって選者として直接歌会等でもお会いして

短歌のお話をうかがったり、

自分の歌についての批評をきかせてもらえるという

とても貴重な得難い機会が得られるという

楽しみに胸がわくわく躍るような場があったからです。

加藤治郎さんは今はぼくの先生ということになり

毎月短歌10首を加藤先生のところに原稿用紙に書いて送って

その歌を加藤先生が読まれて短歌結社「未来」の月刊の歌誌

『未来』に載せるに足る歌だと判断された歌を「選」して

それで送った歌が3か月後の歌誌に

10首ぜんぶ載ることもあるし

9首とか8首とか、もしかしたら7首のときもあったかもだけど

そのあたりの選については基準もお考えも選者さんによって

違うみたいですが、とにかくそういうふうに選者や歌誌というのは

「未来」の場合成り立っていて、

「未来」には選者さんが12名いらっしゃいます。

去年の7月に「未来」に入ってすぐにはじめて

加藤先生率いる「(「未来」の中の)彗星集」の歌会に参加させてもらって

それからわりとあっちこっちの、「未来」にも

「未来」以外の歌会にもあちこち参加させてもらっています。
 
 
 

昨日の歌会は未来の選者大島史洋さんを中心に集まった

四葉歌会 と新淀川歌会の第二回合同歌会ということで

去年に引き続き 二度目の合同開催となる大きな集まりでした。

1人1首の歌を事前に提出し当日は作者名をふせた状態で

全員に詠草一覧のレジュメが配られます。

全部で33人から33首の歌が提出されていました。

中には選者大島さんご自身も他の出詠者と同様に

作者名をあかさずに歌を出してらっしゃいました。

13:00から17:00まで4時間かけて

33人で33首もの歌を読み、

感想や解釈、批評をくわえていくという大規模歌会でした。

歌会は「褒め合う」ことを目的とした馴れ合いの場ではありません。

他の人の歌を読むということは

自分自身の作歌態度を問われることでもあり

また、真剣に他人の歌と向き合うことで

自分自身にとっても場に参加するすべての人にとっても

有意義な学びとなります。

特に、大島さんの簡潔にして鋭く

歯に衣を着せてかえってわかりにくくなる

というようなことのないずばりとした「辛口」の

批評は「未来」の誰もが認め、慕っているところであると思います。

その大島歌会はじまりはじまりー。
 
 
 
えっと。ほんとはですね、

この続きを今回のコラムの本題にしたかったのですが

またしても前置きだけで長くなっちゃったので今回は

ぼくがこの歌会に提出した歌をここにお示ししておいて

次回の更新でその歌についてどういう評を受けたかと

ぼく自身の短歌に対する考えやなぜ歌を詠んでいるのか

というような今回の歌会参加を通して感じたこと、

考えたことを記したいと思っています。

そういう意味では、今回提出するこの一首は

ある意味みなさんへの 宿題、ということになるのかもしれません。

読まれた方、おひとりおひとりの胸の中で

どのような歌か、各々の解釈、各々の感じ方で

自由に受けとってもらえれば幸いです。

次回の更新はそれほど間をあけないようにしたいと思います。

このコラムを通して一首の歌とその受けとり方について語らいましょう。
 
 
 
・中指はかき回す指ひとりでも生きていけると思ってたのに (瀬波麻人)
 
 
 

2010/11/28 06:57 | senami | No Comments