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今回は、中橋と経営者Kさんの対談です。
中「Kさんの会社には、LGBTの社員が複数人いらっしゃいますが、採用にあたって特に何かきっかけがあったのですか?」
K「きっかけは1人の社員でした。彼は元々アルバイトとして弊社で働きだしたのですが、とても優秀な子で、学校を卒業後に社員として入社してもらいました」
中「Kさんの会社は、分類で言うと、アパレル系ということでよろしいでしょうか?」
K「そうです。零細ですけど、何とか頑張っています」
中「卸から店舗経営まで順調に経営されてますね。さて、話を元に戻して、その、きっかけになった1人の方はどういう方なのですか?」
K「バイト時代から、販売の要領も上手で、お客様のウケも良く、仕入れに関する提案を積極的に行うなど、キラッと光る人材でした」
中「そういう人材に出会えたことは、経営者にとって幸せですね。それでその方がどうしたのですか?」
K「社員となって間もなく、店舗の運営を任せるようになったんです。アルバイトの採用も含めて任せて、厳し目のノルマも課しました。最初は苦戦していましたが、3ヵ月ほどして売り上げがドンドン伸びて来たんです。これには本当に驚きました。それで、理由を聞くと、有能なアルバイトたちを雇ったと言うんです。実際に店舗で見ていると、接客が上手なんです。接客の教育を徹底したんだなと思ったら、元々素質のあった知人を雇用したというんです。彼らの働きで、その店舗は前年比で2倍強の売り上げとなりました。」
中「すごいですね。それからどうなったのですか?」
K「さらにそのバイト君を正社員にして、別の店舗の店長にしたら、その店舗の売り上げも上がって、大変満足のいく結果になりました。そんな感じですから、私も彼らを可愛がりまして、娘の婿にとまで思ったのですが(笑)、全く女っ気がないというか、いや、彼らはいわゆるイケメンなんですよ。モテる外見と優しくて頼りがいのある中身を持ったイイ男達なんですよ。でも、彼女がいる様子でもないし、不思議に思っていたのですが、会社の慰安旅行で若手の女性社員とくっつけようと依頼があって(笑)、画策したら、何と彼が公にカミングアウトしましてね、驚きましたが、あぁそうなんだと妙に合点がいって、謎な部分が解けたもので、本人や社員たちと笑い合いましたよ。今では良い思い出です。それで、彼が雇ったアルバイト、後に社員になった彼らだけど、彼らも同じようなセクシャリティだということもわかって、これはこれで二度びっくりなんだけど、落ち込んだ女性社員も居たような(苦笑)、そんなことだったんですよ」
中「社長としては、セクシャルマイノリティを雇用していることへの戸惑いはありませんでしたか?」
K「びっくりはしましたが、仕事のスキルが高い人物なので、性的なことは何も気になりませんよ。よくいう偏見みたいなことは、弊社内ではないと思います。むしろ、彼らの持っている感性はこの業界に親和性があるというか、老若男女問わず、あらゆる層向けの商品に関して大変良いセンスで対応してくれていますよ」
中「そうですか。仕事の成果に対する評価にセクシャリティは関係ないという事ですね」
K「もしかすると、そういう性的な指向が、弊社の業務に良い効果をもたらしているのかもと考える節もありますよ。上手く説明できませんが」
中「ちなみに、社内にどれくらいのLGBTの方がおられるのですか?」
K「はっきりとカミングアウトしているのは4名です。他にもいるかもしれませんが、調査するわけではありませんので(笑) カミングアウトしている4名は、今では幹部ですよ。次期社長が出るかもしれません(笑)」
中「とても明るく語って頂きました。LGBTの社員と働くことに対して、特に構えているわけでなく、自然体で接しておられる様子がよくわかりました。ありがとうございました」