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パパ、
バードバスの中が凍って妖精が現れたよ!!
ママが遠くの森の中で朝早く騒いでいます、
日の出とともに起きてチェーンソーで丸太と格闘していた私に、
庭の中から手を振って何かを知らせよしています、
ママの声に誘われて庭の中にあるバードバスの方に行ってみると、
バードバス中の雨水は全て奇麗に凍り、
その中に妖精のようなものが現れています、
まるで北極海に住むクリオネのようです、
氷が割れて盛り上がったにしては奇麗すぎます、
バードバスの上には木の枝が一本だけのびていますが、
木の枝から雫がポタポタと足れて凍ったにしてはここまで、
天使のような形まで成長するものでしょうか、
何とも不思議で奇麗な形で凍っています、
まるでクリスマスの妖精のように、
クリスマスにこの森に来た私達家族に会う為に現れたのでしょうか、
時折雲の合間から顔を出す陽にすかして見ていると、
妖精の身体の中の模様から、
色々な色がかすかに感じる事が出来ます、
今年最後の山の生活、
それも家族そろってのクリスマス、
森の中は−2℃、
息が冷たくなる程の森の中、
オリオン座が手に取るように見える事の出来る森の中、
かじかんだ手で妖精を触っているママの瞳は、
まるで子供のように輝いています、
ただ白い息だけが妖精を包み込んでいます、
まるで妖精に命を吹き込むように、
クリスマスの森の中、
私達家族のほかには誰も来ていません、
聞こえるのは鳥の声と私のチェーンその音だけです、
鳥の餌台では先程子供達があげたヒマワリの種を四十からがついばんでいます、
四十からの羽音が森中に響き渡ります、
冷たい森の中を羽音だけが飛び回っています、
クリスマスの森の中、
私達家族のほかには誰も来ていません、
見えるのは昨夜降った-2℃の凍った景色だけです、
頭から木屑で粉まみれになりながら、
チェーンソーで丸太を半割にしていると、
この感覚、この感覚、
チェーンソーのエンジン音にかき消されながらも、
丸太とチェーンソーと私が一体になって行く感じがします、
昨日まで奇麗なオフィースでPCでメールを打っていたのが嘘のようです、
理想の答えを相手から引き出す事を想像しながら、
打ち合わせをしていたのが嘘のようです、
チェーンソーのエンジンの熱気を顔に感じる程、
顔をチェーンソーに近ずけて、
体中木屑だらけになっているこの瞬間が、
たまらなく心地良くて、
まるで愛する人と見つめ合っているように、
いつまでもいつまでもこのままでいたい感じがします、
山小屋のドアを開けると、
とびきりいい匂いがします、
ママと子供達が、
鳥のお腹にお米と野菜を詰めて、
岩塩と数種類の庭から取れたハーブを鳥に乗せ、
薪ストーブの上に乗せたダッチオーブンで焼いています、
愛犬ビッケがまるで鳥の焼き加減の番をしているように、
ダッチオーブンの前に座っています、
子供達は家から持って来た材料で、
チョコレートケーキ作り、
下の娘がパティシエで上の娘が飾り付けを担当しています、
日が裏山に隠れるPM4:00頃から雪が降り出してきました、
雪まみれになりながら私は外で丸太と格闘しています、
指の先が冷たくなり、
ライトでは作業出来なくなっり、
木屑だらけで部屋の中に入ると、
今晩のクリスマスの準備が全て終わっていました、
薪ストーブの前では子供達が本を読んだりパズルを組み立てたり、
ママはクリスマス用のチーズホンディユーの準備をしています、
雪の降るクリスマスの夜、
家族だけで過ごすクリスマスの夜、
今年は家族皆病気をする事もなく元気に過ごせました、
今年も私がテーブルの上の鳥を切り分け始めた時から、
我が家のクリスマスが始まっていきました、
私は今年もこんなクリスマスを、
家族で迎えられた事を、
森に感謝しながら鳥を切り分けています。