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もうそろそろ自由にしてあげなよ、
君の氷を解かす魔法の呪文があるなら、
僕の声が聞こえているなら、
いつからなんだ、
君を悲しみの届かない氷の中に閉じ込めたのは、
赤いハイヒールはホコリをかぶっているよ、
君を輝かせてた鏡は今ではくもってしまったよ、
あどけない笑顔は今では見る事も出来ない、
あどけない笑顔が氷の中に飾られている、
柔らかな氷の中で僕に微笑んでいる、
温かな氷の中で生きている、
君の前に立ちはだかった壁の事は、
今でも思い出すときがあるよ、
僕が手を差し出しても、
君は手を伸ばす力さえ失っていたね、
全てを投げ出して、
君は氷の中に閉じこもってしまった、
君は今でも奇麗だよ、
君は今でも人を愛する事が出来るのかな、
もうすぐ温かな日射しが地面を解かし、
凍り付いている大地からは花が咲き、
静かな森には鳥がさえずり出す、
もういいだろう、
そろそろ呪文を解いて、
君は君に戻ってもいい頃だよ、
君が好きだったすみれの香り、
思い出せるかな、
あの時、僕にはどうする事も出来なかった、
僕は壁の反対側で君を待つ事しか出来なかった、
僕はあれからずっと氷の中にいる笑わない君の笑顔を見続けてきた、
氷に中は温かいかい、
氷の中は悲しくはないかい、
氷の中には君の探しているものが見つかったかい、
そろそろいいんじゃないか、
君を自由にしてあげても、
そろそろ昔のように愛する事を始めろよ、
あどけない君の笑顔を見せてくれよ、
こうして青空で君を見ていると、
君は昔と変わる事なく奇麗だよ、
氷の中にいる君に、
僕の声が聞こえているなら、
もうそろそろ君を自由にしてあげなよ
氷を解かす魔法の呪文があるなら、
僕の声が聞こえるなら。