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2012/12/24

野生動物の「生命を懸ける冬」

彼らのフィールドに一歩足を踏み入れると命あるものの「力強さ」や「華やかさ」、そして

「果敢なさ」が見える。

 冬至を過ぎ、これから少しずつ日照時間が長くなってゆくといえば、なんだか冬の折り返し

地点を越えたように思えるが、本格的な厳冬期はまだまだこれからである。

 

所用で出かけた内陸部は既に氷点下20度の世界。

そんな極寒の中で腹まで雪に埋まりながら食料を探し歩いているエゾシカの姿を見た。

 エゾシカは北海道の野生動物の中でも冬の厳しさによって個体数が左右されやすい動物。

たとえ全体の個体数が増えているとはいえ、個々の「命」を考えた時、人間も動物も「ひとつ

の命の重み」は皆一緒なのだと思う。

 

命あるものにはそれぞれの長いストーリーがある。

その生命がどこで生まれ、どんな経験をしてきたのか・・・。

彼らの物語はそのまま彼らの歴史なのである。

 そんなことを思いながら彼らのストーリーの一瞬を切り取る。

僕達が暖かいストーブの火にあたり、布団の中で気持ちよく眠っている今この瞬間も

エゾシカ達は深い雪に足をとられながらわずかな食料を探して森をさまよい続けている。
 

 

2012/12/24 02:38 | yamada | No Comments