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学校の掃除の時間などに、
ほうきを手のひらなんかでバランスして遊んだことはありませんか。
これも立派な「バランス技」の一つ。難しくないので、できる人も多いでしょう。
あごの上(鼻の下)でのバランスもあまり難しくはありません。
一本の長い棒をそこに乗っけて、落とさないようにバランスを取る。
バランス感覚のいい人なら、足の甲でもバランスを取ることができるかもしれません。
ただ、これは片足で立たないとならないので、体がふらつくとバランスも崩れやすくなってしまいます。
なんだよ、こんなものは簡単だよ。
という方。
それでは、左右の手のひら両手の上でバランスを取ってみてください。
どうですか?できますか?
実はこれ、かなり難しい筈です。
一度に二つ以上のバランスというのは難しいんです。訓練すればできないことも無いでしょうけれど、
ジャグリング歴10年以上の僕でもこれはできないです。
バランスというのは、常に前後左右、どちらに傾いているかを目で見て、それを脳に送り、脳から腕に指示を出す、ということを
絶え間なくやり続けなくてはいけません。
当然、それを二本でやろうと思ったら、傾きを両方とも見なくてはならないし、脳から両方の腕に同時に指示を出すことどできるのでしょうか。
バランスをしながら、一瞬でも気を他のことに回すということだけでも相当難しいのです。
一方、ジャグリング、主に投げる系のジャグリングは、空中にあるボールやクラブの動きが一瞬でも見えれば、
容易にそのボールやクラブの落下点を予想することができます。
空中にある道具は放物線を描いて下に落ちてくるはずで、空中にある道具の軌道を変えることはできないのです。
(風が強い日は別ですが……)
それゆえ、バランス芸が継続的に脳から指示を出さなくてはならないのに対し、
ジャグリングは(数が多くなると指示を送る間隔こそ狭くなれど)、断続的に動きを意識すればいいだけの話になります。
この意識する瞬間というのは、慣れてくると本当に刹那で、ジャグラーに言わせるときっと
「意識をしていることすら意識していない」のではないかと思います。
バランスも、先ほど「一瞬でも気を他のことに回すということだけでも相当難しい」と言いましたが、
逆に言うと、「一瞬だけ他のことに気を回し、すぐバランスに意識を戻す」ということは鍛えることでできるようになると思います。
その「一瞬」をジャグリングの動きに割り当てるとあら不思議、
バランスをしながらジャグリングができてしまうのですね。
最近僕は、あごの上でクラブをバランスしながら、3つのクラブをジャグリングするという技に挑戦中です。
まだ人前で出来るレベルのものではないのですが、
最近ようやっとこの「一瞬だけ他のことに気をまわして、すぐバランスに意識を戻す」ということがわかってきたような気がします。
前置きが長かったんですが、
とにかく、バランスをしながらジャグリングするって難しいんですよ!!
難しいんです!!
それを!!
こんな簡単にやられてしまったら!!
もう、どうしたらいいかわからないじゃないですか!!!!
なんなんでしょうねぇ、この部屋は重力が正常に働いているんでしょうか?
しかも、普通のジャグリングもえぐいくらい上手いです……
先ほどまで小難しく「脳がどうのこうの」「意識がどうのこうの」と言っていたことがアホらしくなってきます。