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現在の生徒に足りないもの。
以前のコラムで書いたように、基礎学力が足りないことが分かりました。
純粋な勉強面でも不足していますが、技術的な面も補っていこうということになりました。
もう1人の地質学講師の方と協議した結果、私は技術面を担当することになりました。
技術って何…?と思われた方もいると思いますが、つまりは“実習・実験”です。
今期の授業から、外に出る事や実習を以前よりも増やしていましたが…
正直、正規の授業時間だけでは時間が足りない。
と言うことで、金曜日の午前中に特別授業を開講することにしました。
全学年を対象とし、約束事は開始時間を守ることのみ。
内容などは私に一任されましたが、すでに私の中では決定していました。
・偏光顕微鏡を使えるようになること
・偏光顕微鏡を使って観察する岩石薄片を作れるようになること
まずは、岩石薄片の作製から開始します。
自分で作った薄片を顕微鏡で観察出来たら…
なんと素敵なことでしょう!
日本だったら機械を使ってすぐに作れるのですが…
ここでは、鉄板を使って作ります。
最初はどんなにデコボコした岩石でも、続けていくうちに平らに。
まぁ、これが根気のいる作業なのですが(笑)
飽きずに続けてくれ~
最終目標は0.03mm!
先日の出張で判明したのですが、インドネシアの大学に併設されている地質学科の学生は自身で薄片を作製できないようなのです。
そもそも、その大学の先生が作れない。
したがって、薄片作製のための道具も一切ないのです。
ゴロンタロ大学以外の地質学科の生徒が授業や研究で薄片観察をしたい時は、生徒自身が薄片作製会社に発注・支払をするとか。
しかも、1枚Rp. 40,000となかなかいいお値段。
他の大学の状況を生徒に伝えていたので、特別授業の内容が“薄片作製と顕微鏡を用いての観察”だと伝えると、生徒たちは大喜び。
よかったです。
さて、今週で3回目です。
回を重ねるごとに、参加人数が増えています。
呑み込みが早い学生は、今週2枚目の薄片作製に突入。
どの岩石でもいいと言うわけではなく、事前に私が選んで採取したものを使います。
顕微鏡で観察した時に、どの鉱物がどれか分かりやすい、キラキラ感があるもの、を重視。
※【カラーで見る・記載岩石学入門】より
岩石とスライドを張り合わせることが難しく、失敗してしまった学生もいました。
でも、大丈夫。
練習を重ねれば自分にしか分からないコツを掴めるはず!
この段階になるまで、毎週コツコツと続けていきたいと思います。