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12月1日は世界エイズデーです。
一足先にコラムを通じて、この病気のことについて考えてみたいと思います。
テーマは、「無知と差別」です。
この病気は、いまさら説明は必要が無いかもしれませんが、簡単に振り返ってみましょう。
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エイズが報告されて今年で30年が経過しました。
HIVに感染しているだけでは、身体に大きな変化は無いそうです。
そのウィルスが発症したら、エイズ(AIDS)となります。
今、良い薬がありますから「エイズ(AIDS)=死」ではなくなってきていますが、
長期の療養が必要な病気であるし、世界的にみてもアフリカ、ロシアなどは患者が増え続けています。
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エイズの治療方法について、ここでお話はしません。
それに、すぐに死に直結する病気ではなくなったのだから、もっと別の病気を取り上げるべきでは?と感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この病気には人間の悲しい性(さが)を感じさせる面があるのです。
それは、「無知と差別」です。
以前から、病気と向き合うときに最大の問題は、「無知と貧困」があるとお伝えしてきましたが、
無知から派生する形で、多かれ少なかれ「差別意識」がついてきます。
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エイズ治療の成果をあげる反面、治療は長期に渡っています。
そういう中で困ったことがいくつか起こっています。
それは、エイズ患者への偏見は根強いということです。
職場や、家族にすらエイズ患者であることを言えない人がたくさんいるのです。
そのわけは、エイズ患者であることを告白すると、勤め先を解雇されるかもしれませんし、
人間関係に大きな支障をきたす可能性があるから。
また、一般人が正しい病気の知識を持たないのはある意味仕方が無いとしても、
医療関係者からも間違った知識から、(エイズ治療以外)治療を断られることがあります。
エイズ拠点病院が近くにない場合で、例えば歯などの治療を断られるケースがあるんです。
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差別がもたらす悲劇が、実はその病気そのものより大きな場合があります。
代表的な病気は、「ハンセン病」です。日本では、患者さんの隔離政策が取られていました。
この政策が誤りであったと政府が認めるまでにどれだけの大きな月日が流れたことでしょうか。
エイズが、ハンセン病の様な間違った道を歩み始めていて、その根底に流れているものは、
「無知と差別」であることを、今一度皆で考えて行きたいと思うのです。
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衆議院が解散され、もうすぐ選挙ですね。
エネルギーの問題が大きくクローズアップされています。
原発を再稼動させるのか、大きくその方向性を転換するのか。
大きなテーマです。しかし、医療制度に目新しい政策をどの政党も
打ち出せずにいます。国防も大切ですが、身体と心の防御も、
個人任せでは限界がありますので、政治家の皆さんも頑張ってほしいですね。