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2012/10/31

こんにちは。諒です。
寒いです。もう冬です。冬眠です。さようなら。
…と言いたいところなのですが、年末が近づくにつれて焦りだすのはいつものこと。今年もまだ何もやっていないと気がついて、論文を書かねばと思いながらも、その前に文章の書き方を練習しよう、とか別の方向に逃げだすのもいつものことです。でも、言いわけでも、思い立ってしまったのだから、その手の本の一冊ぐらい読んでもよいはず。
さて、知り合いにマニュアル人間というのが居りますが、私はまったく逆なタイプです。なぜマニュアル的なものをあまり好まないのかというと、型というのは、いろんな事象から見出されるものであって、始めにあるものではなく、それを人が見出したからと言って受け入れ難いヨ、という理屈を持っているため。と信じています。決して面倒だからではないはず。素直に捻くれているだけのはず。
しかし、何か上達しようと思ったら、やはり先達に倣うことも大事で、今さらながら、文章の書き方の本などを手にとってみたわけです。読んでみたのは、
板坂元氏の『考える技術・書く技術』
という本です。はじめの「考える技術」では、カードの取り方やその整理法を紹介するのはもちろん、著者が実践している、文房具の集め方だとか日常さまざまなものへの視点の向け方だとか、まあ、それは個性の範疇では…と思われるようなものの紹介までされているのです。内容がこれだけであれば、若干がっかりするところですが、「書く技術」の方はさすがに読み応えがあったように思います。著者がアメリカ在住のせいなのか、近世文学の専門だからなのか、非常に合理的で、文章の全体の構成の取り方から、強弱のつけ方まで、構造的に分析し、明解に示されています。
その中で、例文の豊富さ、多様さとその利用の仕方が、何というか、とても自然であること驚きました。普段、論文を書くときに、資料ばかり出して文脈がなかなか整わない自分は、本文の書き方にむしろ興味を覚えたのでした。多少品の無い事象例が見られるものの、内容が損なわれるほどではありません。バリエーションのひとつと捉えれば、まあ…。
しかし、この本によく引用されている、思考整理法のひとつ、「KJ法」の名称の由来が、発案者川喜多二郎氏のイニシャルであることを知った時が一番盛り上がりましたかね。
普通に勉強されている人々にとっては、読んでいて(知っていて)当たり前の本なのかも知れませんが、教養の乏しい自分にはなかなかおもしろかったです。
あ、役に立ったか(読者にとってよい文章が書けるようになったか)は、あくまで別の話です。
読んだ本のことはあまり書かないと言いながら、またやってしまいました。しかも漠然とした感想を…。そして上代と関係ないや。次回は専門の方で。

2012/10/31 10:50 | rakko | No Comments