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皆さん、おはようございます。
大阪音楽大学ザ・カレッジオペラハウスの
「イル・カンピエッロ」初日が終わりました。
最前列真ん中という私の指定席がなぜかガラ空きでしたけど、
公演として成功だったのではないかと思います。
出ていて、大変楽しいオペラです。
・・・しかし、
・・・あ、別にこの公演には何の文句もありません。
以下書きますことについて、この点では誤解のないように。
問題は私個人にございます。
このオペラ、おばちゃん役が3人登場しますが、
そのうちドナ・カーテ、ドナ・パスクアという2人は、
テノールが相務めます。
ま、キャラクターテノールが同時に2人必要、という
なかなか稀有なオペラであります。
これが以前・・・まあ10年ほども前の私であれば、
是非やってみたい役、として私の胸に刻まれたことでしょうが、
なぜか、そんな風には思いませんでした。
私がやっても、実際にやっているお二方とはまた違った味で、
それなりに面白く、質の高いものを提供できるだろうとは思いますが、
是非ともやりたい、とは思わないのです。
これは、今の私には作品の性質や傾向を考慮に入れる、
という作業が加わってしまっているからだと思います。
別に作品の出来が悪いとは思いません。
なかなかに良い作品だとは思いますが、
わざわざ私が扱いたい性質の作品だとは思わないのですね。
いわば長屋の日常と、ちょっとおかしな隣人の繰り広げる、
まあドタバタ喜劇、というのが表面的なシチュエーションです。
どうしても、これに政治背景、思想背景を絡めにくいのです。
今の私というのは、どうやらそれらを絡められない作品、
というものに対して、あまり魅力を感じられないようです。
政治ドラマという切り口が作れない作品というのが、
私には「無理に関わる必要はない」と感じられるのです。
この点では、まだまだとんがっていたい人間なのですね。
その一方で、これだけ「選ぶ」ようになっているというのも、
あたかも老境に入ったような心地がするものです。(笑)