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どうも。
私は小さい頃、毎年夏休みになると友達数人と一緒に、
児童館などで募集している2泊3日くらいのキャンプに行ったことを覚えています。
やはりキャンプの醍醐味と言えば、夜のキャンプファイヤー。
火の周りで話したり歌ったり踊ったりしていると、
その日あった嫌なこととか、ちっぽけな悩みとかはどこかに忘れてしまい、
そのときだけはなんでも出来るような気になり自然と笑顔になりました。
隣の友達の顔を見ると、なんだか一段と大人っぽく見えたのを覚えています。
人類が初めて使った“火”。
これはやはり人にとって特別なものなのかもしれません。
力や体の大きさなど、様々な面で他の生き物に劣っている人間ですが、
“火”を持ったときには、何よりも強くなった気になれるのかもしれません。
そして、この“火”を物質的に使いこなすと同時に、
心の中にも灯すことを覚えたのも人間の進化なのかもしれません。
心に火を灯したときもまた、
人は自信と笑顔を手に入れることが出来るのではないでしょうか。
「 野球部 最後の夏 〜自信化笑〜 」
ベスト8を賭けた豊田虎との1戦。
自分をはじめ、メンバーは皆いつも以上に気合いが入っていた。
打たれたら打ち返し、抑えたら抑え返されの繰り返し。
一本のミスが試合を左右するような張りつめた空気の中、
12歳の少年たちは集中力を切らすことはなかった。
お互い一歩も譲らない熱戦の末、7回終わって同点。
(※備考:小学生の大会は、9回ではなく7回が最終回。)
延長戦は勝敗をつけるための特別ルールが適用された。
お互い1回の攻守だけ。
1アウト満塁から始め、得点数で勝敗をつけることとなった。
後攻だった私たちは、最初に守備についた。
普段は強気のヤンチャボーズたちも、この慣れない状況には少し困惑していた。
ピッチャーは気持ちを落ち着かせようと、まず軽くサードに牽制した。
が、その何気ない一球が裏目に出た。
ボールはジャンプしたサードのグローブの上を超えていった。
必死に追いかけるサードとレフト。
しかし、余裕でサードランナーがホームベースを踏み、
無惨にもセカンドランナーもすぐ後に続いた。
この瞬間、メンバーや応援していた人の多くが「終わった」と思っただろう。
しかし、終わってはいなかった。
むしろ、始まってもいなかった。
審判はランナーにベースに戻るように伝え、その場は騒然となった。
なんと、審判が「プレーボール」という言葉を発する前に牽制したため、
プレーは認められず、もちろん得点も認められずに最初からやり直しとなった。
偉大なる大先輩の言葉をお借りするならば、「野球の神様 ありがとう。」
命拾いした私たちは落ち着きを取り戻し、難なく満塁を0点で切り抜け、
続く攻撃では、先頭打者がヒットを放ちサヨナラ。
あの一瞬の悲劇はなんだったのだろうかと思うような、
順調過ぎる結末であった。
激戦の末、優勝候補を破っての勝利は、
それまでの20以上の勝利の中でも飛び抜けて嬉しかった。
帰りの車の中はいつも以上に盛り上がった。
お互いの好プレーを褒めあったり、
試合前の緊張したメンバーの顔を真似して笑ったり、
優勝候補もたいしたことなかったと虚勢を張ってみたり。
このときばかりは、何を言っても面白く感じた。
とにかく、今までみたこともないようなみんなの笑顔が広がっていた。
そして「このチームなら絶対優勝出来る!」と本気で思った。
圧倒的に実力があると言われた豊田虎を破ったことで、
私たちが新たな優勝候補と呼ばれるようになった。
残っているチームの中でも間違いなく実力No.1だと評価された。
いっきに注目を集め、勢いも絶好調な状態で準々決勝を迎える。
12歳の小さくて大きなドラマはまだ終わらなかった。
とぅーびーこんてぃにゅー