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2012/09/11

 

雨の通り過ぎた森は雫の香りたち、

風は全てを傷つけ森を駆け抜ける、

森が人に近づけば欺かれ、

人が森に近づけば、

そっと冷たく包みこんでくれるのに。

 

はかない世界を飛んでみたのに、

心は今でも揺れたまま、

時間だけが持て余すようにゆっくりと流れ、

どんなに壁にぶつかろうと、

どんなに人に恨まれようと、

どんなに失敗しようと、

どんなに冷たい雨に打たれようと、

耐えられると思っていたのに、

どんなに言い訳をしても、

どんなに笑顔をつくっても、

心が重ならない、

今でも臆病な私、

好きな人もいない、

好きな花もない、

好きなワインも未だに決められない、

なんにも夢中になれるものもないまま、

私は世界を飛んでみた、

秋が近いというのに、

夏の夕焼けを想いながら、

誰かが私をすくってくれるのを、

今でも想い続けてはかない空を飛び続けている、

心は重ならないまま、

鳥にもなれず、

奇麗な声で歌う事すら出来ず、

ただ大空の中を飛び回っているだけ、

心躍るものを見つけたくて、

この地上に生まれて来たはずなのに。

2012/09/11 10:42 | watanabe | No Comments