2012/08/22
檜垣氏との出会いからコンピュータ音楽(特に電子音楽・アクースマティック、ミュージックコンクレート)に強い関心を持った私は、先生に「教えてください」と何度も頼みこんだ。
しかし檜垣氏にはなかなかいい返事をもらえなかった。
このような電子音楽(音響芸術)は自由な音楽(作り手の気持ちが読み取れるような)なので教えてもらうというよりは独学で自分のモノにしていく人が殆どであり、師匠の返事も「自分でやりなさい」という言葉だった。
でもなぜかあきらめることができなかった。
芸術音楽といってもいわゆるフツーの電子音楽ではなくて、なにか曲のなかに約束事があるように感じたのも教えてほしいというひとつの理由だったがどのようにしてこの音楽が出来上がってゆくのか、何を感じとって作っていけばいいのか、コンピュータの扱いも殆どわからない私が、何度も教えてほしいと食いかかったのは、自分でも不思議なくらいに、コンピュータ音楽というものや自分の周りで鳴っている音や言葉までも具体音として捉え音楽として素材として、音響芸術を作っていくという感動にも似たような感覚に足を踏み込んでしまった、引き戻せない感情になってしまったからだ。
檜垣氏に教えてほしい、と頼み込んでから4カ月ぐらいたったある日のことだった。
先生から一通のメールが来ていた。
2012/08/22 11:40 | shiho | No Comments