« チームエミネクロス(辻秀一物語第18回) | Home | 薬師如来坐像 »
8月の日射しを浴びながら、
2人で山の小さな小さな山の畑の草取り、
顔を上げると物語が出来そうな雲が空一面に広がっています、
今年の御盆の山は今までになく人影が見当たりません、
ただ雲だけが蒼い空一面に広がって、
物語の続きを浮かべています、
別荘の庭をいつも手入れしてた、
あの踊りの先生は離婚したんだって、
小川の近くの工務店経営の夫婦も、
最近はこの山に来ないと思っていたら離婚したんだって、
ベンツでよく来ていた社長さん、
いつも違う女性を連れて来ていたけど、
奥さんに浮気がばれて離婚され、
山の家は奥さん名義になったんだって、
それじゃあの社長もうこの山に来れないじゃん、
そして奥さんったら大きなベッドを管理人に廃棄してもらったんだって、
それからいつも犬をいっぱい連れて来る夫婦いたでしょ、
旦那さんが病気になって当分山に来れないんだって、
何だか皆色々有るね!!
皆、夢見て夫婦でこの山に家を建てたっていうのに、
皆、夢の続きはどうするんだろう、
御盆恒例のバーベキュー大会をしていると、
今年はそんな話しが飛び交っています、
ところで私たち夫婦は皆仲いいよね、
バカだな!!
皆まだ山小屋作りかけじゃないの、
こんな時に離婚なんか出来る訳無いじゃん、
離婚したら山小屋、
完成しないじゃん!!
それじゃ皆死ぬまで、
山小屋を完成しない方が良いかもね、
あれ、
お宅んち、
山小屋完成させるつもりなの!!
夢は辿り着く事よりもさ、
この先どんな事が有るんだろろうと、
ハラハラドキドキしていた方が、
楽しいんじゃないの、
その方が、
一生夢を見続けられるよね!!
一日中蒼い空を見上げて、
雲の物語を見ていた、
あの頃とまったく変わらない大人たちが、
今年の御盆休みも、
青空一面に広がっている雲を、
見続けていました。