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ちゅちゅむさんというのは、
大分昔の記事「ライバル出現」で紹介したジャグラー。
当時は大阪と青森でお互いの技を切磋琢磨した仲、そして今は浜松で呑み友達となっている仲よくさせていただいているジャグラーの一人です。
そんな彼が、このたび結婚式を挙げることになりまして、
「余興宜しく!!」
予想通りの展開と言うかなんというか。
結婚式より前に、彼らと打ち合わせをすることになり、彼らの新居に招かれ、手巻き寿司をご馳走になりながら、打ち合わせをします。
僕が余興をするような結婚式の場合、
たいてい結婚する側はジャグリング関係者であることが多く、勿論今回も例外ではありません。
そういう場合、余興をやるのは僕ですが、主人公は新郎新婦の二人ですから、できればその二人を巻き込んでやりたいものです。
幸いにも、ちゅちゅむさんは一時数の多いシガーボックスの使い手として名前を馳せた男で、
僕の演目では5つまでのシガーボックスは使うのですが、
彼は6つのシガーボックスの技をすることが出来ます。
(本当は7つまでできるのですが、極端に成功率が悪いため、人前ではできない。)
「じゃあさ」
手巻き寿司を食べながら僕が提案。
「僕が最後5つの技までやるわけ。そうしたら、
『会場の皆様聞いてください。 なんと、この会場には、僕のこの5つの箱の技を上回る、
6つの箱の技が出来る男がいます! 紹介しましょう、 新郎のちゅちゅむ君です!!』
って言うから、君が登場、君が6つのシガーボックスに挑戦する ってのはどうよ?」
「いいねぇ、それ。」
その案が早速採用されます。
「けどなぁ、あなたブランクがあるから……
保険のために、シガーボックス4つが連結されたやつ(=繋がっているので崩れない。つまりインチキ)を用意しておくから、
いざとなったらそれを使ってごまかすってのはどうよ。
で、もしも成功したなら、『いやー、ダメかと思ってこんなものを用意しておいたんですけれどねー』
的に笑いを取れたらいいじゃない。」
「なるほど。」
そんなわけで、しっかりと新郎を絡めたネタを作ることが出来まして、その手巻き寿司の会は終わったのでした。
ところが、別の日程で新郎に呼び出しを受ける。
「実はさ、俺ら2人ってしっかりとプロポーズの言葉もなく結婚式になっちゃってるんだ。
だから、なぁなぁにしたくなくって、結婚式でプロポーズしようと思うんだ。
そこの演出を考えているんだけれど、余興の最後に入れさせてもらえないかなぁ。」
「おう、なるほどねぇ。」
というわけで、多少台本のようなものを作っておいて、
僕が大道芸に使う「宝箱」を、シガーボックスを成功したご褒美にプレゼント、
その中から新婦に対するサプライズな指輪的なものが出てくる、
という流れで演出を考えておきました。
さて、結婚式当日。
割とでっかいトランクをごろごろと引きながら会場入り。スタッフさんとの打ち合わせを簡単に終わらせ、
式も進んでいき、お色直しになりました。新婦が退場。
余興はお色直しの後……ということで、(そろそろ準備しないとなぁ)と思っていた矢先、
「ここで、新婦より新郎に対するメッセージがあります。」
との言葉と同時にスライド上映が。
そのスライドでは、可愛らしい豚のイラストで、二人の馴れ初めと
「プロポーズの言葉もなかったので、この場を借りてプロポーズしたいと思います。
私と結婚してください」
とのメッセージが。
いやー。いいですね、サプライズ返し(笑) 両思いじゃないですか、うんうん(笑)
勿論、この後新郎側のサプライズがあることを新婦は知りません。
「舞台は整った」という言葉がぴったりです。
僕もテンションあげあげ(古)で演技を行って、まあ出来は75点くらいといったところでしたが、
見ていただいた方には満足していただけた内容ではないかと思います。
新郎のシガーボックスは、結局連結したシガーボックスを使って成功させ、
無事に宝箱から指輪を取り出し、
「僕と結婚してください!」と。勿論返事はYes。
良い結婚式でした、うん。
結婚式で余興をやる場合、お酒が好きなように飲めないのがちょっと残念なところであります(笑)
やっぱり、余興を終えてからでなければ飲めませんからねぇ。
余興が終わったら急いでメインディッシュやデザートをかきこんでいると直ぐにお開きになってしまいます。
とは言え、新郎と新婦を他の参加者とは一歩違った形で祝福できるこの立場、
嫌いじゃありません(笑)