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2012/07/12

スクールには様々な年齢層の方がいます。
でも、主体はやはり20代です。

色んな方のお話はそれぞれ楽しく、興味深いのですが、
特に20代あたりの生徒さんの話を聞いていると本当に楽しくなります。
自分にもこんな時代があったんだな…とつくづく懐かしいような。
時代は変われど関心事の種類はあまり変わらないようです。

先生、どうしたら太らないようにできますか?
どうやって彼氏を作ったらいいと思います?

こんな質問をよくされます。
世代を超えての関心事といえなくもないですが、
若く独身の身であるお嬢さん達の頭を占めている割合は相当なもののようです。

妹と呼ぶには離れすぎた年齢の彼女達、
私から見ればそれだけで初々しく可愛らしいのですが
同年代に(無理やり頑張って)目線を移して答えようとしてみます。
が!
かなり至難の業。
人間は忘れる生き物です。

「彼女はいますか?って聞いてみれば?」
とか。
「自分だったらその誘い方、どう思ってしてるんだと思う?」
とか。

それが分かれば簡単なんだけど、というなんとも外から的なアドバイスしか出てきません。
太らない秘訣なんて私が知りたいくらいです。

自分はどうだったかな…。
やはり人間は忘れる生き物。
出来事は鮮明に思い返せても、その答えになるような発想は思い浮かびもしません。
偉そうなアドバイスを出来るほどの経験もないので
失敗談を披露しているだけで終わってしまいます。

そんなやり取りや、うまくいきそうな進展報告を聞くと
こちらもなんだかドキドキして楽しくなります。
これ、この感覚、きっと思い切り蚊帳の外な人の感想です。
自分がこんな立場になったとは。
微笑ましくもあり若干淋しくもあり。

年齢や経験を重ねるって、美食と似ていると思っています。
舌が肥えてくると世の中の美味しいものはどんどん減っていきます。
もちろん追いつくほどには程遠いのですが
自分を取り巻く環境を世の中とするならば、という範囲のお話です。
昔は美味しいと食べていたあれもこれも、
これとそれには敵わないななんて少し物足りなくなります。
当たり前になった途端、未知が既知になった途端、
それは感動やドキドキの色を失い始めます。

知らないことがあるって素晴らしい。
感動があちこちに転がっているということなのですから。

歳をとって始めた手習いははまる、ということを聞いたことがあります。
簡単にはゴールが見えない経験の面白さと尊さは、
それが少なくなった身の上だからこそ切実に実感するのかもしれません。

私にとってのネイルも然り。
ネイルを通じて、こんな風に新しいコミュニケーションや挑戦をさせてもらえることも
思いがけない素敵な副産物です。
スクールの場は、私にとって刺激に満ち溢れた場所なのです。

2012/07/12 05:50 | makiko | No Comments