暑い暑い・・・。

強力なヤブ蚊の大群から逃れ、滝のように流れる汗を拭って山に登る。

「全く、カメラの機材はなぜこんなに重いのだ・・・。」

「まるで鉄の塊だ！」

今に始まったことではないが、こんな日はついついそんな悪態をついてしまう。

まだ一面残雪に覆われた高山帯で気温が２７℃とは相当な暑さだ。

ヒグマはいったいどこに居るのだ・・・。

北海道の自然を語る上でやはり「ヒグマ」は欠かせない存在なのだが、あの王者

の「雄姿」を写真に収めたいと思い、どれだけ探し求めても、そう簡単に出会える

ものではない。

ところが、今日は幸運にも「王者」に出会うことができた。

しかも王者は兄弟だ。

が、しかし・・・

 もはや彼らに「王者の風格」はまったく感じられなかった。

この暑さのせいで、雪渓の上でうなだれまくっていた。

自由奔放な野生動物に「役者魂」などあるはずもなく・・・。

まぁ、彼らの気持ちもわかる。

「雄姿」は撮れなくとも「優姿」は撮れた。

良しとしよう！