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2012/06/25

6月も残すところあと数日。

今、北の地は本格的な暑さを迎える前の束の間の心地良い「初夏」といった ところ

だろうか・・・。

一方、北海道の屋根といわれる「大雪山」はまだまだ春がやってきたばかり。

一年ぶりにダケカンバの新緑を眺め、たくさんの野鳥のさえずりを聞きながら ザラメ

雪の上を歩く感触は懐かしく、そしてなんとも気持ちがよいものだ。

渓流の上にできたスノーブリッジを踏み抜かないように静かに渡り、中を覘き 込んで

みると、水面に反射した日差しを受けてリュウキンカが鮮やかな黄色 の花を咲かせて

いる。

ふっと遠くの斜面に目をやると、かすかに動く塊が2つ、3つ・・・。

エゾシカだ。

垂直に近い残雪の急斜面をゆっくりと慎重に登っている。

そういえば先日、この近くでヒグマが食べたエゾシカの残骸を見つけた。

彼らも万が一ここで足を踏み外したら同じような運命を辿ることになるだろう。

野生の生命は常に生と死が隣り合わせ。

彼らの姿が僕達の目に輝かしく映るのは、厳しい自然環境の中で「生き抜こう」 とする

強い「生命観」に満ち溢れているから。

僕は首からぶら下げていたカメラで一度だけシャッターを切った。

その後しばし彼らの姿を見守り、無事を願って山を降りた。

さあ、これから3ヶ月に渡って大雪山中での生活が始まる。

今年はどんな自然の姿が見られるのか、楽しみだ。

2012/06/25 08:38 | yamada | No Comments