タカアシガニ（世界最大のエビカニ類）に挟まれた。７年ぶり２回目。

 
今日は大きなタカアシガニが漁師さんから水族館へやってきたんです。
ハサミを縛られて、仮水槽へ入っていたので、ヨシヨシ、今その縛ってあるハサミのヒモをほどいて楽にしてやっからな、待ってろよ。と水槽からヨッコラショウと掬いあげて、縛ってあるヒモをほどいてあげました。

カニ君は結構巨大で、ハサミを広げると２メートル半くらい。久々に来た３Ｌサイズ。３Ｌサイズのタカアシガニは漁師はオバケと呼びます。
しかし、だいぶクタビレていて、脚はだらしなく力が入っておらず、なんだか弱っており、もしかしたらこれは生きないかなぁ、っと思いました。

深さ２００メートル以深から捕獲されてきた深海巨大ガニは、それだけでダメージがかなり大きいのです。

う～ん、ダメかなぁ、弱ってるなぁ、明日死んでしまいそうだ。。。食っちゃおうかなぁ。寒いなぁ、めんどくせぇなぁ、チクショウ。

などとブツブツ言いながら、甲羅の大きさを測定して、取り合いず復活するかもしれないから様子を見よう！っと新鮮な海水のストック水槽へ収容しようと、ヨッコラショウと再び持ち上げて水槽へ入れようとしたら、、、

！！！！！☆☆☆！！！！

一気に指へ激痛が！！

ヤツは、元気だったのである。弱ったフリをしていただけだったのである。
コイツ、やる気ねぇなと思っていたので完全に油断しており、ヒョイと持ち上げたワタクシの手のポジションが甘かったのだ。ヤツはそれを見逃さなかった。
すかさずヤツは長く太いハサミをグィィ～ンとロボット的に動かしてワタクシの指を狙ってきたのです。

通常ならこのクラスの大きさだと、２人ないし３人で運ぶのですが、元気がなかったし運搬距離も短かったので、一人で行けるな、楽勝、とタカをくくっていたのが間違いだった。

っ！！！！！ぎぇぇぇ～！！！痛い！痛い！痛い！痛ぇ～×５０！！

もぉね、それしか口から発することができませんよ。動くこともできない。

そばにいたスタッフの戸舘君にヘルプを求めて、ハサミを広げて緩めてもらうも、力がありすぎてハサミが全然緩まらず、開きません。ものすごい鋏む力！

なにかこじ開けれる役立つ工具を探してくる！！っと戸舘君は走り去って行き、その間に激痛はさらに倍増！！巨大ガニは激怒しているようである。

さらに激痛で悲鳴をあげると、通りかかった先輩さんが気付いて駆けつけてくれ、再び怪力でハサミを広げようとするも、ビクともしない。挟まれた指にハサミがグングンめり込んでいき、指の骨がゴリゴリ言ってきた。このままバキッ！っと指の中で骨が粉砕されてしまうのではないか、と思った。ものすごく怖くなってきた。。。

ウギャァ～！！痛い～！！！

と叫ぶほか何もできない。指が本当にちぎれてしまいそうです。

あたりを見回した先輩さんがそばにあった道具を上手く使ってテコの原理でタカアシガニのハサミをこじ開けてくれ、やっとのことで解放。涙出まくり。

左手の薬指負傷。完全に指が陥没。紫色になって激痛で、もしかしたら骨が砕けているのか？と思ってこれはヤバイから病院に行こうと思いました。負傷状態を見て、他のスタッフも病院へ行きなさい、と。

でも、すぐにアシカショーの時間で、保育園の遠足が来ている。ま、指は忘れることにして、そのままアシカショー。しっかし、忘れられん。ショー中にガンガン痛みが来て、ものすごく辛かったです。

陥没した指は時間とともに今度はプックリ腫れあがり、感覚が完全になくなりました。そして今に至ります。今、普通の指の倍くらいに膨れています。指が曲がらない。痛みはなくなりましたが、感覚がないです。

ボクの指はどうなっているんでしょうか。病院に行った方がいいかなぁ。

…カニに挟まれたって病院で言うのハズカシイぢゃん。