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飼育員っつーと、テレビなんかで見るとマボロシの魚を追い求めて!とか飼育困難魚に挑む!なんてやっていて、一度はオレもそんなことして輝いてみてぇなぁ、などと寝転がってお尻なんかを掻きつつテレビを見ているのだが、毎日そんなことをやっているわけではない。(いや、オレもそうだけど、何かに挑んでいる飼育員さんの方もね。)
我々の仕事のメインとなるのは展示で、まぁ飼育もしているわけだけど、まぁ普通、飼育員さんって言われるし、まぁオレだって飼育ぐらいできるっしよ、まぁ魚を手に入れることもできるサァ、いっちょたまにはマジメに飼育してみっぺかな、っとまぁ「まぁ」が多くあちこちの方便を使いながら、ちょっと何かを飼ってみることにした。
おもしろい魚でもいねぇもんかなぁ、っとパソコンをポチポチやっていると(べつに現地のキケン地帯に行って調査するわけではない)、「アピストグラマ」という魚が気になった。
南米の小川に住んでいる小魚。大きさ数センチと、小さいので格闘して捕獲する必要はない。凶悪なキバで噛み付かれることもない。大型トラックで何十時間もかけて輸送作戦をすることもない。テレビもない。ラジオもない。おら東京さ行くだ。
早速、今日は休みだったのでパソコン(もっぱら家から動かない)で情報を集め、目が痛くなったので、行きつけの熱帯魚屋へ行った。何種類かの「アピストグラマ」がいた。
おぉ、来たね、アピスト?いいよ。アピストはオススメだよぉ。っと案内してくれるのは同い年の店員N君。彼とは、もぉ何年もの付き合いでフシギ熱帯魚の展示の強い味方。
ブラジルの規制が整理され、アピストグラマは結構輸入が多くなり注目だそうだ。アピストの良さは小さい体ながら、オス同士の小競り合いやメスへのアピールの時などに魅せるオスの体の色やヒレの華麗さ。パンクロッカーのようにモヒカン的な大きい背ビレを持っているものが多い。
アピストグラマ・ナンチャラとか、いろいろな種類がいてどれもキレイで、飼うのは中級~上級者レベルで、そんじょそこらの飼育員ではしっかりネットサーフィンして情報を集めないと、うまく飼えない。
N君と話す。彼は最近、ブラジルの川やその支流やその小川付近の村だか住所だかの地名まで網羅しはじめ、行ったこともないのに、ここは○○川の上流に○○って場所があるでしょ、その上流にある場所でインディオ保護区。っとか熱く語るからスゴイ。輸入されるアピストには、だいたい産地のロケーションがついていて、アピストグラマ・なんとか・フロムなんとかという風になっていて、ロケーションによって同じ種類の魚でも色が違う。これは日本の魚ではないことだ。九州のナマズも青森のナマズも見た目同じで黒くてヌルヌルでしょ?日本の場合、あそこのサバはあそこよりウマイ!っという味に関しては地域バリエーションが高い。
アピストグラマの場合、当然キレイな色の産地の魚は人気みたい。ワシにはよぉわからんが。
N君の教えを行儀良く聞いて(最終的には意味が解らなくなり呪文のようにしか聞こえなかったが)、アマゾンの支流・ネグロ河系の種類に絞った。キレイな種類が多いが、飼育にクセがある。phが低くて、軟水で飼育しないといけないのだそうだ。ナンスイ?なんじゃそれ?大学の時授業で習ったような習ってないような、寝ていたような。
まぁ、アピストグラマはキレイな魚ってことですね。
※文中写真はすべてレヨンベールアクアより。