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最近まれに見る続けざまの更新。もっといろいろ書かなきゃね。。。
新しくできる「タッチング水槽」(生き物に直接触れることのできる水槽)が本日、工事中の我が水族館に運ばれてきて、しかるべき場所になんとなく設置された!
巨大なトラックに乗って東京のほうからやってきた。
水族館のトビラが小さくて入らないので2つにブッタ切ってある。設置場所に入れたら2つを合体させて1つの大きな水槽にする。
この水槽には、今、水族館界がもっとも注目している水族ゾーンの一つである「深海の生き物」が入る。つまり深海の生き物に「直接触れる」のだよ。なんと怪しげで楽しげなことでありましょうぞ。
心配だった水槽の色も、うまく行った感じで要望どおり。その他、いろいろ心配だったことがいろいろあったのだけど、想定どおりでバッチリ♪
水槽をクレーンで吊り上げて水族館の中に入れる。雨上がりで風が強かったので、落っこちたりアオラレてどこかにぶつかって壊れたり負傷者がでないか心配だった。
クレーンから下ろすと、腕っ節のおじさん隊員1号から8号くらいたちがヨイコラショウとみんなで持ち上げて運び込む。
今回、ワタクシが腕力主義で半ば強引にプロジェクト隊長となり、初めて企画から図案、施工まで一通りメインで請け負った水槽にしては90点の上出来。タッチ水槽と同設置の小型羅列水槽20個スペシャルが下の段の水槽の設置高さが思ったより低くて、これはマイナス10点。
もともと、倍は欲しい、と思ったほど場所がかなり狭くて、狭い場所にいかにいろんなことを盛り込んで水槽をどのくらいの大きさにするか、など考えたりするのが大変だった。
入る生き物を思って水槽を大きくすると、そのぶんお客さんのスペースが狭くなる。お客さんのスペースを広く取ると、そのぶん水槽スペースが小さく狭くなりショボくなる。。。
飼育員達の作業スペースは広く欲しい、と上司のオッサンたちにも言われたが、これはできるだけ無視。お客さんがゆったり生き物に触れて、水槽も十分な広さでいい展示ができれば、オッサンは狭い場所で這いつくばっていればいいのだ。
構想と図面を描くとき、本屋さんで空間デザインの本を立ち読みしたりした。予算との兼ね合いも難航して最終的にに「変形コの字型」の水槽が図面にできあがり、コの字の周りに小学校1クラス30人対応を想定。圧倒的にジャマくさいのが中央の柱でこの柱は前までココにあった円柱水槽の中心になっていて、柱の周りを丸く魚たちが回って泳いでいたのだ。
ジャマだから取っておしまいっ!と言ったら、「この柱を取ると、建物が崩壊します」。。。
大黒柱なのだ。柱を迂回した設計。コレがまたメンドウだった。
結果的にお客さん>タッチ水槽>飼育員、という空間の取り方で設計し、業者が言うには国内最大級のタッチプールになったそうな。最大ではない。最大級。あんなんで最大級なのかなぁ。。。ビックリだわい。
下の写真、真ん中の青いブットイ棒が大黒柱。
同時に、タッチプールの裏には羅列式で小型水槽を上下10個の計20個設置し、ここにも個別でマボロシの深海生物を展示する。日本でウチだけしか展示しない生物も2匹。今現在ストック中スタンバイOK。
水槽の詳しいオススメポイントや気合い入れましたよポイント(自慢)はまた今度するとして、長い月日を経て、やっと水槽ができて設置された。
今日はほとんど仕事をせず、搬入された水槽の周りをウロウロしていた。ボクが始めて考案・作成した水槽なので、我が子のようだ。すでにワタクシの目にはココで楽しげに生き物にさわるたくさんのお客さんの姿が見えている。妄想は得意なのだ。
3月18日オープン。
!!!前回のコラムで載せれなかった画像です。
・八景島シーパラダイスのヤクザ鮫イワシ蹴散らし型キレイな水槽↓
・こちらはアクアマリンふくしまのデコッパチシイラがイワシの群れを粉砕して泳ぐキレイな水槽
・アクアマリンふくしま。頭上やや上で上下ガラスのつなぎ目が見えちゃうのがなんとも残念。↓