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2012/05/19

だんだん涼しくなって来ましたがトンガから鈴木です。いかがお過ごしでしょうか?わたしは、先週日曜日の晩、カヴァを飲んでる最中、急に喉が痛くなり、それから風邪を引いてしまい、一週間ほとんどダウンしてました。僕が風邪をひくのは珍しいんですけどね。なんとかは風邪を引かないといいますが、トンガに来て5年、寝込んだのは多分2回目?でも、一週間も長引くのは生涯何度目でしょう(笑)

さて、先週の金曜日のことになりますが、トンガで日本語コンテストが開催されました。この日本語コンテストの目的は、日頃から日本語を勉強している人の発表の場、そして、毎年日本で行われる2週間の日本語研修の研修生のセレクション。一昨年から始まりまして、当初は日本語研修生の選定を目的にしていたため、18歳以上という枠しかありませんでしたが、実際日本語を勉強しているのは、18歳以下の高校生。高校生以上のクラスは、教員養成学校の日本語科の生徒のみ。というわけで、今年から高校生のカテゴリーも2つ加わりました。トンガの高校というのは、日本の中学高校一貫校という感じで、Form1からForm6、そして、学校によっては大学予科的なForm7という感じになってます。日本語教育は選択科目としてForm3から始まります。それで、今回Form3,4という初級者カテゴリーとForm5,6という中級者カテゴリーの2つが新たに加わりました。今回の大会は暗唱大会。各カテゴリーに指定された課題テキストの中から、任意のテキストを選び、それを暗唱し、ステージで披露するというモノ。昨年はスピーチコンテストで、参加者が自分で指定文字ないの作文をし、それを披露するというモノ。第一回は今回と同じく暗唱大会で、ちなみにわたしが審査員の一人でした(笑)

18歳以上のオープンカテゴリーは人数制限はしておりませんが、初級者、中級者カテゴリーはそれぞれの学校から一人だけという制限付き。きっとオープンにしたら収集がつかなくなるからでしょうね(笑)僕の学校は去年から始まりましたので、Form3,4の初級者カテゴリーのみ。まぁ、当然Form4から選ぶのが順当なんですが、思いの外、一人Form3の生徒になかなかいいセンスを持つ子がおりまして、結局その子にしました。

基本的には1ヶ月ほど前から、課題テキストから谷川俊太郎の「朝のリレー」を生徒に渡し、日本語の授業の最初に発音練習がてら、朗読練習をしてきました。そして、大会2週間ほど前に、一人選び、放課後10~20分程度個人的に練習したという感じ。僕の指導ポイントは、「なるべく自然な日本語に聞こえるように」ということで、朗読の際の文章の切り方やイントネーションを特に注意しながら進めてきました。

さて、当日教頭と傍観者とを引き連れて会場入りすると、早速選手が集められ、出場順番を決めるくじ引きを行うが、うちの子は、見事一番を引き当てる…。なんという運の悪さ…。普通こういう大会は、一番最初の発表を元に2番目以降の採点基準が定まるものなので、当然採点が辛口になるというモノ。

さて、日本大使の挨拶、教育大臣の挨拶が終わり、発表開始。うちの生徒には、「ステージに上がって、礼をして、深呼吸をして、タイトルを行って、ゆっくり始めなさい」と言っておいた。そして、礼をして深呼吸をしてる時、司会者が

「あ、自己紹介と朗読テキストのタイトルをお願いしますね。」

はぁ~~?自己紹介~~~!?
そんなの聞いてないぞ~!
いきなりアドリブ~~~????

こっちがビビりました(笑)

とこっちの不安はよそに、うちの生徒は口を開く

「わたしの おなまえは ◯◯◯です。」

wwwwww
自分に「お」つけちゃった~wwww

ま、いいや。それ以外はちゃんと言えたしwww。その位の自己紹介も不安になる日本語教育。他の生徒だったらアウトだったかも…。

で、順当に、練習より少しゆっくり目のスピードで暗唱朗読開始。少し文章の切り方が短くなってしまったけど、朗読自体のミスはなく、いい具合に終了。は~良かった。一安心。

次の選手

「わたしの おなまえは ◯◯◯さんです」

うわぁ、自分に「お」をつけ、さん付けしちゃったよwwww

朗読は、身振り手振りジェスチャーつき。こういう表現すっかり眼中になかった。採点に響きそうだなぁ…。僕は純粋に朗読のことしか考えてなかった。でも、それでも、うちの生徒は上位に食い込めるんじゃないだろうかという手応えは感じていた。

と、じゃんじゃん発表は進む。中級者カテゴリー、オープンカテゴリーになっても、自分に「お」をつける生徒たちwww。名前にはさんをつけるという習慣がついてしまってるんでしょうね。

さて、ひと通り発表を終えた後、休憩を挟んでいよいよ成績発表。

第5位…

ま、さすがにそれはないだろうな。

第4位…

よし、これで上位3位決定!

第3位…

おおっと~?もしかして、優勝しちゃうのか????
さぁ、どっちだ???

第2位…

うちの生徒。あぁ、惜しい!後もう一息か…。でも、みんな一学年上の選手に混じって日本語歴3ヶ月の彼女、よく頑張った!五重丸に、花つけちゃお!

第1位は、トンガでもっとも優秀な学校、その名もTonga High Schoolの生徒さんでした。僕の個人的採点では、うちの生徒だったんですけどねぇ。僕の隣に座っていた日本人の予測では、この二人のどちらかという感じ。

そして、他のカテゴリーは、なんとすべてトンガハイが総ナメ。驚くべきは、オープンカテゴリーに参加したForm7のトンガハイの生徒。彼女の他はみな、トンガの教員養成学校で日本語を勉強している、日本語教師の卵たち。そんな中一人高校生が彼らを差し置いて優勝。2ヶ月の日本研修のチケットを手に入れました。快挙ですね!

僕の今回の印象は、初級者カテゴリーが一番レベル高かったような気がする。原因の一つは、恐らく中級、オープンの課題テキストが長すぎ!僕もそんなに覚えられません(爆)なので、選手は覚えることにいっぱいいっぱいで、表現をつけたり、日本語らしく読み込む練習まで進めなかったんじゃないかなぁ…。憶測ですが。

というわけで、今年の大会は終えました。トンガハイに総ナメされましたけど、来年こそはその一角を私の学校が切り崩しにかかります!

余談ですが、大会が終わった後、何人かの日本人や審査員からうちの生徒に対し「いきなりあんなレベルの子が出てくるとは思わなくて、今年はレベル高くなりそうだ!とびっくりした!」とか、「日本語の朗読がすごく自然で、心地良く、よかったよ」と好評をいただきました。僕にとっては何よりの褒め言葉です。

さ、来年は、ウチが取るぞ!!!!

2012/05/19 09:26 | suzuki | No Comments