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とはいっても、基本的な構想は、
今を去る10年ほども前から出来上がっているのですが。
皆さん、おはようございます。
ほわっとで9月上演予定の魔笛の構想を、
カルメンの仕上げと並行して練りつつあります。
なぜ練らなければならないか、というと、
正規の舞台機構ではないので、
縮小して見せる必要があるからです。
一言でそのテーマを表すとしたら、
「あるカルト国家の誕生」です。
ある国家元首たる国王が、
カルト宗教にのめり込み、
入門儀式の途中で帰ってきたが、
統治権の象徴を教祖に譲渡してしまった後だった。
本来の王家である王妃、夜の女王は、
象徴である太陽のペンダントを確保できなかったため、
今や抵抗勢力と化してしまっていて、
旅人を操って敵方に送り込んでは、
拉致されてしまった娘の奪還を頼んでいるが、
誰一人戻って来ず・・・
というところから話は始まります。
読んでいただいてわかる通り、
まったくメルヘンとは縁遠い作りです。
このカルト宗教のモデルとしているのが、
教義的にはフリーメーソンと、
とりわけその上位組織であるイルミナティ。
ただし、身近でわかりやすいイメージとしては、
オウム真理教の要素も取り入れています。
もし、オウムがテロに成功していて、
麻原を国家元首とする国家が誕生していたら、
どういうことになっていたか、というモデルケースです。
基本的に徳や慈悲が表看板としては強調されるでしょうが、
裏では密告や峻厳苛烈な刑事、
身分差別や人種差別など、前時代的な要素が盛り沢山の、
恐ろしい国家が出来上がるのではないかと思います。
しかし、必ずしもそれは絵空事ではなく、
生き方次第では我らがそんな国家を経験しないとは限らない、
という警鐘として魔笛を上演したいと思います。
ゆえに、人物のキャラクターも、
これまでの上演とはかなり異なったものになるでしょう。
オーソドックスな演出では、善人のように映っていた人物が、
人種差別を平気でする人間として描かれ、
普通なら実在するはずの人物が、
幻覚で見た人物でしかない・・・、
そういうオペラとして構成されます。
私が「エマニュエル、ヴォルフガング、許せ!」
そう言いながら構想する唯一のオペラです。