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2012/04/25
オペラや声楽の勉強をしたと言ってもそもそも「合唱あがり」
合唱しかしてない若かりしころ、オペラに出てくる合唱のシーンはどうも聴き苦しかった時期がある。
きっと、邦曲や ミサ曲のような響きを重視した曲ばかり演奏してきたからだろうけど。
声楽を始めた当初は、声楽がどういったものなのか中々理解ができなかった。
また、養成所に通いはじめてからは自分がどう変わっていくかも予測がつかず戸惑っていた。
もしかしたら、未だによくわかっていない。
数年前、大物のベテラン歌手の方々のコンサートがあり
これだけたくさんの歌手の方々の歌声を聴いてきて
そのとき、一瞬で耳がダンボに、眼は釘づけになった方がいる。
少年の初恋のような気持ちを味わった。
私の先生である演出家は、初めて受けたレッスンからよく
「一声だけで魅了する声を身につけろ」と言う。
「腹からくる声」とか「地上から頭上を突き抜けて空気を波動させる」とか
そういうありきたりの感覚を持たせるのではなく
「心」とか「女性は子宮から」とか「身体の全ての穴から」とか
色んな言葉でもって言われる「魅惑の一声」とはこのことだと、当時実感したのだった。
先日、その初めて恋した歌手の方が出演されたコンサートに出かけた。
歌声だけで、涙腺が破壊されるというのはどういうことなのか。
聴いている者のどこへ、どのように働きかけているのか、まだ自分でも分からないが
「心に語りかける、揺り動かす」ということなのだろう。
そして、自分自身が語りかける者になっていけるのかが、これからの難問。
その方におそれ多くも、話しかけ自己紹介してあーだこーだ会話したのだが
緊張マックス、脳みそパニック。
アホ丸出しの私。
2012/04/25 08:34 | uika | No Comments