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2010/10/22
「来た!」
夕方、たくさんのメスを従えた一頭のオスジカの前にもう一頭のオスジカ
が現れた。
ハーレムの中に座っていたオスは立ちあがり、相手に近寄ってゆく。
そして、現れたシカもハーレムの中に侵入し、オスジカを目指してゆっくり
と歩み寄ってゆく。
やがて10m程の距離まで近づいた時、2頭は一気に駆け出し角をぶつけた。
目の前にいるシカは、もはや普段道路脇や畑の中で見る姿とは全く違って
いた。
それは本来の「野生動物」の姿だった。
.
現在、増えすぎたエゾシカは社会で厄介者扱いされているが、彼らの生き方
は昔から何も変わってはいない。
古来から生きる為に必死でエサを求め、こうやって命を懸けて子孫を繁栄し
続けている。
生態系のバランスは、本来人間が増やしたり減らしたり調節するものではない。
人間も生態系の一部に含まれているとすれば、生態系のどこかがバランスを
崩したら人間にも影響が出るのは当然だ。
果たして人はそのことに気が付いているのだろうか?
本当の意味での野生動物との「共存」とはどんな姿なのだろう・・・。
そんなことをぼんやりと考えた。
目の前の戦いはまだ続いている。
気が付くと、遠くにもぶつかりあう若いシカがいた。
夕方、徐々に光を失ってゆく草原で「カツッ、カツッ!」という乾いた音だけが
いつまでも響き渡っていた。
2010/10/22 02:32 | yamada | No Comments