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バブル時代幕開けの息吹が聞こえはじめた80年代半ば、『トップガン』というアメリカ海軍の戦闘機パイロットの青春群像を描いた航空アクション映画が全世界で公開され、記録的な興行収益をあげていました。
主演はマーヴェリック演じるトム・クルーズ。
エリート航空戦訓練学校(通称:トップガン)で、航空戦技の神髄であるACM(空中戦闘機動)即ちドッグファイトの戦技を磨くために教育を受けるんです。編隊飛行での攻撃訓練で、ライバルのアイスマンと一緒に敵役の教官とドッグファイトを繰り広げ、マーヴェリックは教官に自動追尾をかけられ、アイスマンに負けてしまいます。
この自動追尾装置というものは、ミサイル発射時に敵戦闘機に狙いを定めれば、縦横無尽に逃げる敵機の後を追いかけ命中させるシステムなんです。
実は、これに似たシステムを、私たち人類も持ち合わせているのはご存知でしょうか?
道行く人の中に、ひときわスタイル抜群の綺麗な女性が歩いていたら、ついつい目線で追ってしまった。
そんな経験、男性諸子なら一度といわず、何度となく経験があるでしょう。
これは男性に限った事ではなく、女性にも同じ事が言えるでしょう。
素敵な男性や、たまたま渋谷で出会った芸能人なんか追いかけてしまう事ありますよね。
人は“美しい”ものには、自然と目を奪われて、自動追尾してしまう生き物なんです。
また、その“美しさ”が美しければ美しいほど、鮮明に記憶されます。
一目惚れは、この能力が最大限に発揮された結果であり、旅先の美しい景色を目の辺りにすると、感動すら覚えます。
今から40年程前、日本は高度経済成長を経て、オイルショックに突入し、トイレットペーパーがスーパーマーケットから消えるという時代。トイレには備え付けの紙がなく、いつもティッシュを持ち歩く、そんな時代でした。
運悪く、お腹の調子が悪い時などはさあ大変。
紙、さっき使っちゃったし・・・w(゜O゜;)w
また、時を同じくして、3種の神器(カー、クーラー、カラーテレビ)がどこの家庭にも揃いだし、ヨーロッパから高級スポーツカーが輸入されはじめていました。
少年雑誌などにも掲載される様になり、スポーツカーの中でもひときわ高性能なスポーツカーを紹介するテレビ番組が放映される事となりました。
今の時代と違いビデオなどはなく、見たいテレビ番組は放送時間の前から家族みんなでテレビを囲んでいました。
小学3年生の僕は、テレビの一番前に陣取ったんですが、まもなく番組が始まろうとする丁度その時、急激に便意を催しトイレへ駆け込む事に。
(実は過去に苦い経験があり、小学校に入学したばかりの僕は、朝礼でトイレに行きたいと言い出せず、ウンコを漏らしてしまいました(T_T)。ここで我慢をする事は過去の苦い思い出が再びよみがえり、恐怖さえ覚えました。)しかも、よりによって切れの悪い・・・(失礼)。
ようやく用を足し、テレビのある居間に駆け込むや否や・・・!?
小さなテレビ画面ではあった。
が、今でも鮮明に目に焼きついています。
真っ赤なその車は、シャープなフォルムにぺったんこな車体。天高く垂直に開いたドア。
小学3年生の少年の心を奪っていくには、十分過ぎる瞬間でした。
ランボルギーニ・カウンタック
イタリア・ランボルギーニ社製の最高傑作。最高時速300km。バブル時代には7000万円もの値段を付けた、超高級スポーツカー。
スーパーカーという言葉は、この車の為にあるのではないでしょうか。
あまりにもその衝撃が大きく、番組の内容はほとんど覚えていませんが、僕の自動追尾装置はそれからというもの、カウンタックを追い続ける事となり、四半世紀の年月を経てようやく目標ターゲットを射止める事が出来ました。
ご縁あって、このコラムを書かせて頂く事になりました岩崎太朗と申します。
1967年生まれの44歳。生まれも育ちも生粋の名古屋人。
妻、子供2人の4人家族で、住宅ローンを抱えた平凡なサラリーマンが、憧れのカウンタックを手中に納めた海千山千な毎日を通して、スーパーカーのある生活をお話していきたいと思います。
よろしくお願いします。