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2012/04/07

コンピュータ音楽とひとことで言ってもユーザーによってどのように利用するのかによって様々な使い道があるとおもう。ここでは「コンピュータ音楽の応用領域」についてまとめてみることにする。

<音響の合成および分析>

そもそもコンピュータ音楽の始まりは、楽曲の分析を通して得られたメロディなどのデータを基に新たな音楽の流れを決定していくといったものであった。リアルタイムでの音の合成は欠かすことのできないものである。音の波形などの解析をすることによって、優れた音の合成が可能である。また構造、和声、対位法などの分析(アナリーゼ)もできる。

自動演奏、MIDIを用いたシンセサイザーの制御なども含むこのようなツールを用いることによって、作業能率が上がる。作曲家が演奏家による楽曲の再現を経ないで自らの音楽を確認、さらにマスタリングに至るすべてのプロセスをコンピュータによって置き換えることが可能。音楽制作をより多くの人々に開放するという大きな意義を持つ。

コンピュータ音楽を勉強し始めたのは5年前。初めはPC本体の使い方も分からず、PCを前にして右往左往するだけだったが、自分に合った音楽(作曲)に出会うことができたので、そこからは無我夢中でPCも音楽ソフトも覚えることができた。

人は好きなものができると、何でも知りたくなってしまう。好きな音楽に出会うことで情報を集めたり、参考になる著書を読んだり、知らなかったことが少しずつ分かり始めると、もっと好きになった。コンピュータを使って自分が想像しえなかったこともコンピュータのなかでは可能だということが分かった。しかし、まだまだ情報だけで使いこなすまでは相当な時間を要する。上記に記したコンピュータ音楽の領域はコンピュータでの音楽制作でどのようなことが出来るのか基礎的な部分に触れた。次はもっと踏み込んでまとめてみることにする。

ステージにおいてコンピュータは欠かすことのできない存在である。センサーを用いた身体情報の処理や音と画像の同期、インタラクティブ性の獲得といった重要な役割をコンピュータが担っている。パフォーマンスを支援するMAXというものがある。MIDI制御のMAXにリアルタイムでのデジタル信号処理を可能とするMAX/ MAPが登場しマッキントッシュ用に一般市販され、リアルタイム・パフォーマンスやサウンド・インスタレーション、自動作曲(アルゴリズミック、コンボジション)のプログラミング、そして画像の制御を含むマルチメディアな作品の制御なども大いに活用されている。

<ソフトウェア・シンセサイザー>

外部の音源を用いず、パーソナルコンピュータ本体のみでMIDI音源をリアルに作り出すもので音楽ソフトによってコントロールし、制作を行うことができる。

マックス・シューハウス(パーカッショニスト)が音を環境の中にとき放つという考えのもとにサウンド・インスタレーションという概念を確立した。BGMとは全く異なるもので音を環境ノイズと溶け合う形、即ち環境そのものを作品=アートとして捉えるというものであった。彼の独自性は空間に居合わせた人々の動きといったような空間における人々の存在の仕方によってそれぞれの人が異なる音体験が可能になるといったコンセプトをもつものであった。音楽とは一見、無縁な場所を好んで選んだ。

コンピュータやセンサー・デヴァイスの介在によってからだの動き(ジェスチャー)によって音をコントロールすることが可能になり、コンピュータを用いた表現は単なる音楽データの再生を超えてリアルタイムでの音楽の生成をも可能にした。90年代以降、コンピュータを用いたインタラクティブ(双方向)の表現手法が確立され多様な作品を生み出した。オペラに代表されるさまざまな舞台芸術もその典型といえよう。映画もやはりメディア総合の最もたるものであろう。

まだまだ私は、コンピュータ音楽の初めの一歩あたりで、好きな音楽を作曲している。応用領域についてはまとめてみたものの、まだ実感が湧くことはできず最初にPCの前で右往左往していたときの気持ちに似ている。コンピュータ音楽(ミュージックコンクレート/アクースマティックミュージック)に出会ってそれらを作曲している人たちに出会い、コンピュータ音楽が大好きな人たちなのだということがこちらにとても良く伝わってくる。これからも知らずしてなんとかここまでやってきた作曲活動ですが、コンピュータ音楽の応用領域がこんなにも広く、発展し続けていることで私もパワーをもらい、そしてこのコンピュータと音楽という分野に私も一緒に発展し続けられたら嬉しく思う。

 

2012/04/07 10:37 | shiho | No Comments