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2011/01/13

皆様、明けましておめでとうございます。
新たな年を迎え、この谷間での生活も3年目を終えようとしている、百姓になりたい川口です。

東京と東北で長い年末・年始の休暇を過ごしてから、伊勢神宮にお参りしてこの谷間に戻って参りました。
お伊勢様では、昨年も私達の生活を支えるに余りあるめぐみをこの谷間の自然から頂戴した事を感謝し、この新しい年にもまた多くのめぐみを戴ける様、お願いして参りました。

伊勢神宮は、伊勢の宇治の五十鈴(いすず) 川上にご鎮座の皇大神宮(こうたいじんぐう、内宮=ないくう)と、伊勢の山田の原にご鎮座の豊受大神宮(とようけだいじんぐう、外宮=げくう)、更に月読宮などの別宮など125社神社の総称です。

外宮の御祭神は豊受大御神(とようけおおみかみ)。お名前の「うけ」とは食物のことで、食物・穀物を司る神さまですが、衣食住、ひいては、ひろく産業の守り神としてあがめられています。スローフード、スローライフを標榜する私にとっては勿論、百姓としては、ぜひともご加護を頂きたい神さまです。

ちなみに、外宮では1500年もの間、毎日朝夕、天照大御神さまなどの神さま方が召し上がるお食事を、一日も欠かすことなく準備しているのです。ありがたいことです。

内宮の御祭神は、天照大御神。皇室の祖であり、瑞穂の国、日本に高天原から稲の種を下さったお方とされておりますが、その名が明らかに示す通り、まさに「お日様」のめぐみを担っておられる神さまです。(ちなみに天照さまの弟は、月夜見命、すなわち、「お月様」です。)

稲の実(お米)が実るのは、稲の葉が太陽の光を受けて水と二酸化炭素を酸素と炭水化物に変えて蓄えてくれるからです。
私達が日々口にする他の野菜も同様です。

休むことなく降り注ぐ太陽のエネルギーがあるからこそ、私たちが日々口にする食べものが実るのです。

言うまでも無く、牛、豚、鶏などが我々に食べ物を提供してくれるのも、そんなお日様によって育てられた植物があるからです。

現代の農業は、農業機械を使い、化学肥料と農薬を大量に投入することにより、かつては考えられなかった程の農地を開き、大量の作物を作り出すようになりました。ややもすると、それをもって、あたかも人間が自分達の力で作物を作り出せるようになったかのように勘違いしかねない面があります。が、実際には、我々人間が作り出せるようになったものなど何一つとしてありはせず、全ては太陽のめぐみに他ならないのだ、という事を忘れてはならない、と強く思います。

現代のあらゆる農業機械はガソリンが無ければ動きません。
ガソリンは石油を精製して作られています。
石油は数億年の歳月をかけて、かつて、地球上に存在していた生物が作り出し蓄積された物質によって出来ています。
それらの物質は生物が太陽のエネルギーを変換して作り出したものに他なりません。
つまり、実は、農業機械は太陽エネルギーで動いているのです。

化学肥料や農薬も全て、石油を精製する過程で化学的に得られる副産物です。
つまり、太陽エネルギーに他なりません。

20世紀に人類が手にして謳歌している物質文明の豊かさは、数億年の間に蓄えられた太陽エネルギーを百数十年の間に一気に蕩尽することによって支えられているものに他ならないのです。

私達は、将に、食物と暮らしを司る神さまである豊受大御神がお仕えしている事が示す通り、天照大御神、すなわち、お日様(=太陽)のめぐみ無くしては、現在の地球上に生きる者達の生命はどれひとつとして存続できないのだ、ということを今一度よく想い出す必要があるのではないでしょうか?

以下に、私の友人が書いた太陽のめぐみについての文章をご紹介させていただきます。

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水車の回る原理、自動車の走る原理、動物の生きる原理

雨雲が山にかかれば、山には雨が降る
山に降った雨は河に流れ込み、海へと向かう
水車は山から海へと向かって流れる水から動力を取り出す

雨雲には太陽エネルギーがためこまれている
太陽熱で海が暖められると水は気化して水蒸気となる
水蒸気を多く含んだ空気が太陽熱で暖められると上昇気流となって高いところに昇り上空に雲が出来る
太陽エネルギーは低い海にあった水を上空の雲の位置までもちあげる
水車は太陽エネルギーで回っている

自動車はガソリンを燃やして走る
ガソリンは石油を蒸留して作られる
古代の植物が永い年月をかけて石油になったんだそうな
植物は水と二酸化炭素を吸収して、太陽光線を浴びて、自身の体をつくり、酸素を放出する
水素が酸素と結び付いた燃えない物質である水と、炭素が酸素と結び付いた燃えない物質である二酸化炭素に、太陽のエネルギーをつぎこみ、結び付いていた酸素を離れさせて放出し、糖類などの燃える物(植物自身の体)に変換する
自動車は太陽エネルギーで走っている

人間などの動物は、植物や、植物を食べた動物を食べて生きる
植物は燃えない物に太陽エネルギーをつぎこんで燃える物(自身の体)と燃やす物(酸素)に変える
動物は太陽エネルギーで生きている

太陽では、水素が核融合を起こしているんだそうな
そのとき生ずるエネルギーは地球へと到達する
そのエネルギーは、
風を吹かせ、雲を作り、雨を降らせ、
植物を育て、動物のエネルギー源となり
あるいは自動車を走らせ
最後は熱となって宇宙空間に放出される

風も雨も植物も動物も、地球に届いた太陽エネルギーが宇宙へと放出されるまでの流れのなかにある

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新年にあたり、改めて、スローライフ、いや、全ての生命を支えてくれる最大の味方であるお日様に心からの感謝を捧げたく想う私、百姓です。

2011/01/13 02:23 | kawaguchi | No Comments