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2012/03/23

3月上旬、オランダの北海沿岸に浮かぶワッデン(Wadden)諸島のひとつ、テルシュヘリング(Terschelling)島に行って来ました。

目的はバケーションと喘息のリトリートを兼ねて。貸別荘を1週間弱借りてのんびりしました。のどかな牧場の光景が広がる島です。

貸別荘の2軒隣に毛糸屋さんがありました。素敵なマダムが出迎えてくれ、まず「コーヒーはいかが?」。あのー、ここ、カフェでしたっけ? (^^)

結果、すっかり編みものにハマってしまいました。この毛糸屋さんのマダムのお店がとても素敵で、その世界がインスピレーションに溢れていたからでしょうか。もともと嫌いではないのですが、編みものはなにしろ時間がかかる。でも、全てはインスピレーション次第ですね。忙しいけど、ハマってしまうのですから・・・。

息子は牧場で、足こぎ車を乗り回し、どろんこに・・・ 私はコーヒー片手に、せっせと編みもの。なにかの絵本のようです。

この島は、あたり一面羊だらけ。羊毛や毛糸の本場であり、編みものは伝統工芸です。昔は漁師達が、寒い冬の海に耐えられるように、羊毛のセーターを着たのだとか。意外ですよね? 羊毛は他の自然素材に比べて、雨を吸収しにくく、保温性に優れているんです。

機械織りが発達する前は、手で編むしかなかったので、島の女性の殆どは編みの達人です。おばあちゃん達の世代では学校で靴下の編み方を習ったとか・・・。

そうかー、それなら私もせっかくだから、靴下編みを習いたい! と思ったのですが、お店のマダムはその1つ下の世代なので、靴下編みはできないとのこと・・・。けっきょく、Youtubeで自習しました (^^)

今回は、「ダッチ・ヒール」という、オランダの伝統的なかかと編みで、ソックスを編みました。かかとが立体的で、ちょっとかっこよくて、しかも強度が高いんです。「ダッチ・ヒールが編める」といえば、ちょっとした達人なんですよ〜。(・・・ごめんなさい、マニアックですね)

そもそも編みものは、ものごころつく前に母から習ったのですが、もともと祖母が相当な編み手だったようで、山のような編み道具を遺品として受け継ぎました。北海道の家系ですので、これも必要から発生したホビーだったのでしょう。

人生、いつ、何が、どこで変化するか、わからないものです。編みものなんて、それに費やす時間はもったいない、バカバカしい、とさえ昔は思っていたのです。

転機は数年前、喘息をはじめとするアレルギーでした。本を読むような集中力もなく、眠いけれども眠れない、でも横になっていなければいけない日が増えたのです。そんなとき、編みものはちょうどいいんです。編んでると、感覚が自分の内側に入り込んでいき、ちょっとした瞑想状態になります。しかも、その時間を誰か大事な人のために使えて、喜んでもらえる。一石二鳥じゃないですか。

でも今回は、久しぶりに自分のために編みました。いや〜、毛糸の靴下の、暖かいこと・・・。冷え性の方には絶賛オススメです。

2012/03/23 09:19 | maki | No Comments