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2012/03/12

 

東の空が薄蒼色に染まり出し

遥か宇宙の彼方から

この森に光を届けに来ています

白い森は宇宙からの光をあびて、

蒼白く光り始めて

しだいに陽が昇り始めると

蒼い世界は消え始め

総ての命を目覚めさせる

太陽の光が森の中を駆け巡り始めます

 

あなたが薪をくべる音

そしてストーブの中で薪のはぜる音は

私を夢の世界から覚醒させようと一生懸命

それでも一人ベッドでまどろむ私

あなたが開けたカーテンから白い森が

そっと私に語りかけています

あなたの為の六角形の結晶

キラキラ輝く私を見てと

今、私とあなたでずっと旅して来た森は

白い季節に変えられてしまっています

緑豊かな森は昔聞いた遠い思い出のよう、

白い森の中にあなたが置いた真っ赤なリンゴ

まるで白い森が喜んでいるよう見えます

優しくついばむヒヨドリは

きっと私なの

私はいつまでも窓の外のヒヨドリを目で追いかけ

まどろみの中

私一人のベッドはまだ残るあなたの温もりの中

あなたの開けたカーテンから

いつでも大切なものが突然私をノックするの

私を驚かせようとあなたが降らせたの

私に見せたくてあなたが白い絨毯を敷いたの

白い季節の中で部屋が暖かくなって行く

又あなたは私に魔法をかけるつもりなのね

今、魔法にかかったあなたと

3月の白い季節を旅していたわ

窓の外ではヒヨドリが頬寄せ小枝に

私を幸せそうに見つめているわ

朝陽のあたる小枝からは水滴が生まれ

朝陽に揺れて照れるようにきらめいている

私があなたの魔法をかけたように

しだいに白い森がキラキラ輝き出し

虹色に染まっていく

私は一人ベッドで

あなたの薪のはぜる音で

あなたの魔法にまどろむの

白い森の中で

あなたが歩くのを感じる

私はいつまでも

このままあなたの魔法にかかっているわ

2012/03/12 11:04 | watanabe | No Comments