« 木彫刻師 吉川浩市 木彫展 | Home | ■flora World 218「さくら/こころ」 »
2012/03/12
東の空が薄蒼色に染まり出し
遥か宇宙の彼方から
この森に光を届けに来ています
白い森は宇宙からの光をあびて、
蒼白く光り始めて
しだいに陽が昇り始めると
蒼い世界は消え始め
総ての命を目覚めさせる
太陽の光が森の中を駆け巡り始めます
あなたが薪をくべる音
そしてストーブの中で薪のはぜる音は
私を夢の世界から覚醒させようと一生懸命
それでも一人ベッドでまどろむ私
あなたが開けたカーテンから白い森が
そっと私に語りかけています
あなたの為の六角形の結晶
キラキラ輝く私を見てと
今、私とあなたでずっと旅して来た森は
白い季節に変えられてしまっています
緑豊かな森は昔聞いた遠い思い出のよう、
白い森の中にあなたが置いた真っ赤なリンゴ
まるで白い森が喜んでいるよう見えます
優しくついばむヒヨドリは
きっと私なの
私はいつまでも窓の外のヒヨドリを目で追いかけ
まどろみの中
私一人のベッドはまだ残るあなたの温もりの中
あなたの開けたカーテンから
いつでも大切なものが突然私をノックするの
私を驚かせようとあなたが降らせたの
私に見せたくてあなたが白い絨毯を敷いたの
白い季節の中で部屋が暖かくなって行く
又あなたは私に魔法をかけるつもりなのね
今、魔法にかかったあなたと
3月の白い季節を旅していたわ
窓の外ではヒヨドリが頬寄せ小枝に
私を幸せそうに見つめているわ
朝陽のあたる小枝からは水滴が生まれ
朝陽に揺れて照れるようにきらめいている
私があなたの魔法をかけたように
しだいに白い森がキラキラ輝き出し
虹色に染まっていく
私は一人ベッドで
あなたの薪のはぜる音で
あなたの魔法にまどろむの
白い森の中で
あなたが歩くのを感じる
私はいつまでも
このままあなたの魔法にかかっているわ
2012/03/12 11:04 | watanabe | No Comments