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有難うございました。
今回は、せっかくなので、
撮影の話を。
テレビの場合は、
時間をかけてリハーサルをして、
中継を致しますから、たとえ出演時間が短くても、何度も実際にコマを回す事になります。
ここで、曲独楽をご覧になった事が無い方に、説明をさせていただきますと、
心棒の部分は鉄、だいたい直径が平均5ミリ程度、そして胴体は木です。
木には、漆を塗り、私がここで回していた曲独楽は、だいたい大きさが30cm、
重さが400g程あります。
心棒が鉄ですので、適度な摩擦力を保って、手で回転を加えますが、
ヤスリがけを丁寧にしていないと、2回ほど回しただけで、手が軽い火傷のような
ヒリヒリした状態になり、とても撮影の本番まで持ちこたえられません。
リハーサルといっても、企画段階の一回目、
会議の後、企画決定後の現場担当さんを交えての二回目、
撮影直前日の設営スタッフさん、撮影時間計測や、立ち位置決定、
今回の場合は、私が移動中に車を交通止めにするので、どこまでを
交通止めにするか、確認する為の三回目、
そして、撮影当日、カメラや音声、記録用の大量のケーブルと、
私が移動する道に、小石など障害物がどこにあるかを確認しながらの四回目、
共演する松村さん、NHK松山放送局アナウンサーの沢田石さん、
カメラさん、音声さんの位置を
しっかり決めるための五回目、
これがリハーサルです。
だから、当日でも、私の移動距離は直線110mでしたので、
330mを、曲独楽の風車を演じて移動した事になります。
体力が必要な事もありますが、曲独楽も完全に調整できていないと、
実現できなかったので、
あらためて、曲独楽の製作者の先生の腕に、助けていただき、感謝しています。
もちろん、撮影現場にたくさん連れて行って、
撮影の時にどういう工夫をしたらいいのかを、
身を持って教えてくれた紋也師匠が、一番偉いのですが。
そういえば、これも、NHKの番組でしたが、10数年前、紋也師が70代の時に、
トルコのバザールで、何の前触れもなく、
曲独楽を披露したら、町の人はどう反応するだろうか、
という撮影に、予算の関係から、弟子を連れずに一人で立ち向かった企画がありました。
他に、イタリアで餃子はウケルか、とかが、
いくつか組み合わさったクイズ形式の番組です。
ひたすら、砂漠の中を紋也師が、曲独楽の道具を自分で持って歩く姿に、
弟子の私は正直、自費でついて行くんだったと、本当に後悔したのを思い出しますが、
師匠に聞いたら、若いスタッフがいつも気を使ってくれて、楽しかった、と言っていました。
でも、後でこぼしているのも、ちらっと聞きました。
「もう、行きたくないよ」
カメラの向こう側には、見えない事がたくさんあります。
息子を迎えに行ったら、保育園でテレビ観賞したそうです。
こどもは面白い…