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「ういかさんってなんでそんなに頑張れるんですか?」と後輩に言われた。
はて?頑張るって一体なんのことじゃろか。
もはや「がんばる」の意味が分からない。
自分の能力以上のものを、さらに自分のものにすること?
上乗せで?
それとも、端からみると苦痛にみえる訓練に耐えること?
なんでも、その後輩がいうには
ひとつのことに打ち込んで突き進んでいる姿が頑張っているようにみえるんだそうだ。
はて?その2。
私は「ひとつのことに突き進んでいるのじゃろうか?」
いや…ぶっちゃけ気持ちはブレブレなのかもしれんな。
今は、幸いにも研究生の身ながら「オペラ」というジャンルの舞台人として演じる機会を与えて貰えるようになった。
いただいた役はとことん追及していく姿勢を忘れない。
でも、根本的な問題。
私は「オペラ歌手」で生きていく覚悟ができているのかどうか。
以前、演出家に
「来年度は何をする?」ときかれた。
それは声楽家として?それとも舞台人として?
「ういかはミュージカルには出ないの?興味ないの?」と聞かれたこともある。
私は機会、きっかけ、チャンスがあればなんでもやりたいと思っている。
きっと自分自身では「表現者」というくくりでいるため。
3年間、オペラ歌手養成所に通って「なぜここに通っているのか。」とたくさん尋ねられた。
「歌が好きだから」「オペラ歌手になりたいから」クラスメートはキッパリと答えた。
私は…?
その時は「オペラ歌手になりたい」だなんて思えなかった。
自分が舞台で衣装まとって歌ってる姿は想像できなかった。
「表現者としての幅を広げるため」そう答えていた。
質問してきた人の中でこの答えは「へぇ」と面白がる人もいたし
「本気でなりたい奴に失礼だ。ここにくるべきじゃない。やめてしまえ。」と叱られることもあった。
もうすぐ研修所を修了する。
今は声楽家として「オペラ歌手」として
あの役を演じてみたい、この役、数年後には自分の身体に宿してみたいと思うようになった。
そして、自分がその役を演じる姿を想像出来るようにもなった。
これは声楽家として進歩しているのだと思う。
それでも、ストレートの芝居やメディアの仕事も復帰したいという欲が沸々としてやまない。
もう3年も抑え込んでオペラの勉強をした。
やっぱり、声楽家でいたい上に、表現者でいたいのだと思う。