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人の顔というのものは、年齢を経るに連れて履歴書のように、人格や、積んできた経験など
が現れるものです。そして美醜という枠では判定できないような、味が出てきます。
それと同じように人の身体もその人を物語るものです。特に筋肉。
どんな仕事をしているか、どんなスポーツをしてきたかということが隠しようもなく表れます。
では、息を止めて泳いだり潜ったりするフリーダイバーはどんな体型をしているのか?
今回はフリーダイバーの体型について考察してみます。
●「スイマーの聖地」にて
やって来たのは「スイマーの聖地」東京国際水泳場。競泳、シンクロの全国大会や
国際大会も行われるメインプール、サブプールのほか、10mの飛び込み台がある
深さ5mのダイビングプールを有する都内でも有数の水泳施設です。
このプール、一般利用も出来ますが、我々フリーダイバーはチームでコース貸切の
練習をします。大きな足ひれを使ったり息を止めて泳いだりと、特殊な練習が出来る環境は
都内でも少ないので、とても貴重。その上夜22時まで泳げるので、都心に勤める会社員が
仕事後に駆け込めるありがたい場所でもあります。
この聖地の最も奥地にある最高にステキな場所、それはジャグジー。
温水プールとはいえ、やはり水の中は冷えます。
なので、冬場にここに浸かるのが至福のひと時でもあるのです。
ここは、プールではそれぞれのレーンに分かれて練習している様々なジャンルの
スイマーやダイバーが集まるクロスロードのような場所。
ジャグジーで「は~っ」と息をつきながら、休憩をしていると、色々な方の姿が目に入って来ます。
(あくまで、観察するともなく自然に視界に入ってくるだけですので・・・)
圧倒的な存在感を放つのは競泳選手。流線的な筋肉の上に程よく乗った脂肪。
男女とも水着を格好よくバーンと着こなして、一目で「この人は絶対競泳だな」
というオーラを放ち惚れ惚れしてしまいます。
一方フリーダイバーはというと、、、「これといった特徴がない」としか表現できません。
フリーダイビングというのは、子供のころから長年やってくるスポーツではなく、
ある程度大人になってから始める人が多いため、それぞれ多様なバッググラウンド
を持っています。そのため、特徴がないというより、十人十色、多種多様になるのです。
水深-100mを越えて潜る海外のトップアスリートの中には大柄マッチョな現役のパイロット
もいれば、身長150cmそこそこの小柄なヨガの先生もいます。
●では、実際はどのような体型が最適なのか?
バレーボールやバスケットのように背が高ければ有利なのか、
体操選手のように小柄が得なのか、柔道や格闘技みたいにマッチョが良いのか
ボクサーやバレリーナのように絞る必要があるのか・・・
それはまだわかりません。
ただ確かなことは「酸素消費が少ない省エネな身体」が有利であるということ。
筋肉が付き過ぎていると何もしなくても酸素を消費してしまいます。
かといってある程度筋肉がないと長距離や大深度を効率よく泳ぐことが出来ません。
このため、フリーダイバーにとっての理想の筋肉は「インナーマッスル」だ、と言われています。
外につくモリモリした筋肉ではなく、体の奥にある細い筋肉。なかなか鍛えるのが難しい
部位です。でもこれが一番効率よく、酸素消費を抑えながら運動できる、と考えられています。
私はフルコンタクト空手を長年やってきており、筋トレやら走り込みやらをしてきた為、
ともかく無駄なアウター筋肉がついている。
特に上段回し蹴りを繰り出しまくっていた大腿四頭筋は今でも健在で無駄に酸素を消費
しています。この身体を少しずつ変えようと、インナーマッスルを鍛える地道なトレーニング
を続けています。プールではインナーマッスル強化のためのサポーターを付けて泳いだり、
また陸上では、古武術など取り入れたトレーニングをしたり。
ひょっとすると、フリーダイビングには万人にとってひとつの「理想の体型」が
あるわけではないかもしれません。結局は泳いだり、潜ったりするなかで、
「自分の理想形」を見つけていくしかないかもしれない、とも思っています。
理想の体型をみつけ、そこに少しでも近づくことを願いながら・・
私は暇さえあれば、もとい、ヒマはなくとも、プールに通い、ジャグジーに浸かります。
決して「観察」だけしにいっているわけではありませんので、悪しからず^^;
*ちなみに、日本のフリーダイバー女子はなぜか筋肉質が多いのです。
photo by Rika Nishimoto