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ネイリスト検定試験、という試験があることをご存知でしょうか。
もしかしたら、あまり興味のない方からすると、
「上手にマニキュアが塗れる試験?」
というイメージかもしれません。
まあ、間違いではありません。
プロとしてお金をいただく以上は上手に塗れなくては話しになりませんもの。
ですが実際はもっともっと奥深く難易度も高い本格的な試験なのです。
ネイリストのイメージにありがちなチャラチャラキラキラさは微塵もないのです。
今回はそのネイリスト検定試験のお話です。
正確にはネイリスト技能検定試験といいます。
一般財団法人 日本ネイリスト検定試験センター(JNE)が主催する試験です。
この記事を書いている2012年2月現在、ネイリストとして働くための受験および級取得は必須ではありませんが
実際に自身のレベルを示す肩書きとして無いよりあった方がいいのが現状です。
サロンの求人にも、「2級以上」や「1級以上」の所持者を条件として募集していることがほとんどです。
そういった意味以外にも、受験や取得には前向きであるべきと私は考えます。
なぜか。
プロとして必要な知識技術が確実に身に付く手段だからです。
器用な人なら、絵心がある人なら、パッと見には上手に見える技術があるかもしれません。
でも、色々な方のお爪に触れる仕事です。
トラブルを抱えている場合も少なくありません。
人様の体の一部に手を加える責任は小さくありません。
爪を飾ることよりも必要不可欠な知識と技術が基本となります。
爪の構造、ネイルのための皮膚科学、手指の骨格、扱うネイル用品の化粧品学、爪の異常や病気、ネイルの歴史。
ざっと挙げただけでも座学で学ぶ内容は専門的かつ幅広いのです。
加えて、実際の技術に関するお勉強。こちらも理論から学びます。
これらの基礎があって成り立つのが施術です。
試験では、段階に分けてその成果を評価します。
3級、2級、1級とあり、飛び級受験は出来ません。
3級試験は年に4度。2級と1級は年に2度の開催です。
いずれも実技の他に筆記試験もあります。
合格目安としては、
3級…ネイルケアカラーの基本が学べている
2級…プロとしてサロンワークに通用するネイルケアカラーとリペアの技術知識を有している
1級…スカルプチュアを含めた総合的なトップレベルの技術知識を有している
となっています。
3級の合格率は約80%と、比較的大きく開いた門です。
なぜならまだプロとしてのレベルは要求されていないからです。
「学べている」のニュアンスはそこです。
2級、1級になると合格率はぐっと下がります。
約40%。ときにはそれに満たないことも。
これは「プロである」という評価の壁の表れです。
ほとんどの学生さんがこの2級と1級を目指してスクールに通いお勉強します。
そしてその審査の細かさ厳しさにまず衝撃を受けるようです。
それこそ、重箱の隅をつつくような、もしかしたらそれ以上の細かさです。
私たちネイリストが「真っ直ぐ」といったら、とにかく真っ直ぐなのです。
「ムラなく」といったら、ムラのムの字も許しません。
こういった目を養うのも、こうした数々の試験やコンテストなどを経験してこそです。
限られた時間のなかで、誰が見ても合格ラインを満たしている仕上がりが求められます。
実技試験の所要時間は、
3級では70分、2級では90分、1級では150分です。
その前に事前審査があり、実技終了後には審査時間がおおよそ1時間近くあります。
筆記試験はその後にやはり1時間近くあります。
受験生はモデルを各自用意し同伴します。
モデルさんの爪をあらかじめ試験用に準備しておく必要もあります。
ですから、試験は試験の数日前から準備が始まり、当日はほぼ1日がかりなのです。
同伴されるモデルさんも、相当な我慢を強いられます。
試験中および審査中はトイレに行くこともままなりません(禁止ではない)。
もちろん私語禁止、飲食禁止、携帯なんてご法度。
ジーっと両手を突き出し座っているのです。
私たちネイリストは自分のための勉強と我慢、そして努力ですが
モデルさんは果てしなくボランティアです。
ネイリストにとってその活動や成長は「モデルありき」なのです。
私もこれまでたくさんの方々に協力していただきました。
そして今も。本当に感謝感謝です。
無事合格しても、やっとスタートラインに立ったということでしかありません。
そこからは対お客様の実践が待っています。プロとして。
車の運転と同じ、実地を繰り返して技術を高めていきます。
新人のうちは「お金をいただいて練習させていただく」という身分です。
ここからさらにレベルアップしていくには、メンタルの成長も求められます。
次回は、級ごとにいったいどんなことをするのか、その試験内容をご紹介いたします。