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さて、それではお約束ですからしかたありません(苦笑)。
前回の続きを書くことといたしましょう。
今回は、ストリップを見始めた頃の「第1期」のお話をさせていただこうと思います。
最初に書きましたとおり、私が初めてストリップを見たのは1983年の3月の、大学受験が終わった翌日のことでした。
とは言いましても、当時はインターネットのように便利に調べられる時代ではなく、まして「ストリップ劇場ってどこにあるの?」なんてことは、とても人に聞けたものではありませんでした(爆)。
そんな中、ひとつの手掛かりを与えてくれた本が地元の図書館にありました。
「芸双書3 さらす ストリップの世界」(白水社)
今思えば、よくこんな本がだれでも手に取って読める図書館に置いてあったなという感じでしたが、この「芸双書」シリーズには他にサーカス・手品・浪花節・大衆演劇なども取り上げられていて、「大衆芸能」のひとつとして扱われていたようですね。
そしてその本を熟読して、最初に見る場所としてストリップ発祥の地でもある、東京の浅草の劇場と決めました。
浅草には当時、2つの劇場がありました。
今はなき「フランス座」と、現在もある「ロック座」です。
そして私が入った劇場はロック座の方でしたが、決め手は1000円という格安の入場料でした(原爆)。
半ばビクビクしながら入り、満席の場内で立ち見で観賞していたことを記憶していますが、見ていたショーはほとんど記憶に残っておりません(苦笑)。
ただ確かだったのは、私が想定していたものとはどうも違うようだということでした。
どう違ったのかは微妙な内容になりますので(爆)、あまり具体的には書けないのですが、「Choreography」として見たときの満足度がそれほどでもなかったのですね。
そして晴れて大学生になってからしばらくは、私が求めていたイメージに合致するストリップを求めて、ストリップ劇場に出向いたものです。
ただ当時は学生だけに金がなく、もらえる小遣いも月にわずか6000円くらいなものでしたから、何ヶ月かに一度行ければいい方でした。
通学定期のおかげで、交通費はそれほどかからなくて済みましたけどね。
また最初に入った浅草ロック座は、ほどなくして1年ほど改装のため休業になってしまったので、この時期主に行った劇場は浅草フランス座でした。
ここも入場料が1500円と安く、さらに「学生割引」があったので私は1300円で入場できたのです(笑)。
しかし、その浅草フランス座は2000年をもって閉館し、現在は「東洋館」という演芸場になっています。
また、前述の「芸双書」から首都圏のストリップ劇場及び出演者の情報は、「内外タイムス」という今はなき夕刊紙に掲載されているとの記述があり、これは駅の売店で簡単に入手できましたので、以後10日に1回必ず購入するように心がけました。
そしてこれを手掛かりに浅草以外の劇場にもいくつか巡りましたが、それらの劇場は入場料が高かった(2000円以上)うえに、その劇場内で行われていたことはもはや「Choreography」とは到底言えないものでした(水爆)。
それが具体的にどういうものなのかは、こちらで書くことはなにとぞご勘弁くださいませ(苦笑)。
そんなこんなで、理想と現実のギャップに戸惑いながらも細々とストリップ観賞を続けていた私でしたが、1984年に最初のターニングポイントを迎え「第2期」に突入したのですが、そのお話はまた次回に(笑)。
ところで昨日、実はその浅草フランス座の「なれの果て」でもある「東洋館」に行ってまいりました。
それはなぜかといいますと、ライター仲間の三増巳也さんのお父様でもある、源氏太郎さんの芸を拝見するためでした。
通常は毎月「0」の付く日(10日・20日・30日)にしか出ておられないそうで、なかなか休日にタイミングが合わなかったのですが、三増さんからfacebookを通して「11・12日は出ますよ」とうかがったので、お邪魔した次第です。
ここは漫談や形態模写(ものまね)、コントなどいわゆる「色物」を見せる演芸場なのですが、12日の公演の「トリ」(最後)を演じていたのが、その源氏太郎さんでした。
ゴムバンドを付けたハーモニカを手も使わず演奏したり、口にハーモニカ・手にギター・足にカスタネットで「一人バンド」をやってのけてしまったり、82歳とは思えない見事なパフォーマンスを目の当たりにして、私も大いに驚かされました。
またしゃべりの方もまさに「立て板に水」のごとく非常になめらかで、これが「本物の芸」というものだと改めて感じました。
最後には、三増さんおっしゃるとおりギターを弾きながら皿回しまでやってのけ、見事に1日の公演を締めくくりました。
ほかにも、漫談や形態模写などバラエティに富んだ内容で、1時間半程度の短い時間ではありましたが、十分に楽しむことができたと思います。
特に「筋肉漫談」の「ぶるうたす」は、昔(約30年前)にテレビでわりと見ていたのですが、初めて生で見て感動しました(笑)。
しかしもうあと2年で還暦と聞くと、やはり時の流れの速さを感じますねえ(苦笑)。
客の入りが多くて40人ちょっとくらいで、日曜日にしてはちょっとさびしいかなと思いましたが、肩の力を抜いてリラックスして楽しめました。
観客の中には若いカップルもいて、終演後に「面白かったね」「うん」と会話していたのが印象的でした。
後半はストリップから離れてしまいましたが、浅草フランス座つながりということでご容赦ください(笑)。