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音素材の種明かしをするのも私ぐらいだろう。「どうやって作っているの?」「どんな音素材を使っているの?」と聞かれても「ひ・み・つ」と言って教えてくれないのがフツー。
私はここのコラムで電子音楽に興味を持ってくれる人がたくさんできたらいいなと思って書いている。興味を持ってくれるのは大概、男性なのだが、この前の総会で出会った皆さんのなかでもやはり、男性だけだったのがちょっとさびしい。女性の作曲家がいるように女性の電子音楽家が増えればもっと楽しいのに。私の周りには電子音楽に興味を持っている女性は皆無に等しく、いつも話をする人は楽器屋のお兄ちゃんか、ツイッターなどで電子音楽について発言しているひとたちのつぶやきを見ることで楽しんでいる。
前置きが長くなってしまった。音素材の種明かし2夢の覚めるときと3音の地図でしたね。2の夢の覚めるときは、なんと私が入浴しているときの音とシューマンの「野ばら」をピアノで弾いた音、そして私の声で、出来ています。あの曲はその音素材を殆ど、リバースと言って逆回転させているのです。逆回転というのは昔、テープレコーダーがありましたね。テープを巻き戻しするときどんな音が聴こえてきますか?アレです^^分かりましたか?野ばらの曲を逆回転させるとあのような音になるのです。もう少し幻想的な感じにしたかったら何かの音を追加するか、音を加工したほうがいいかもしれませんね。3の音の地図は、左手の伴奏を繰り返し弾いていたら出てきたメロディです。あの曲はアクースマティックというよりピアノの作曲ですが、気に入っています。アコースティックピアノで弾いたメロディにもうひとつリバーブしたメロディを重ねています。そのほかは蒲田駅のホームで録音した電車の音が入っています。これは何も加工していません、そのまま使いました。
このように音素材をそのまま使ったり、エフェクトをかけたり、音を小さくしたりと様々なやり方を駆使しながら曲が出来上がっていきます。私は電子音楽に出合ってまだ間もなく肩書に電子音楽家と書いていますが、くすぐったくてなんだか責任を感じてしまいます。
電子音楽家(の卵)とつけたほうが良かったですね(笑)あとは突き進み、成長して大きくなるだけですから^^
パソコンのパの字もよくわからなかった私ですが、やる気さえあればなんとか出来るのですね。コンピュータが作るのではなくて自身が作曲するのですから。師匠はソフトのやりかたは教えくれませんでしたが、アクースマティックの作曲については細かく教えてくれました。メロディはなくとも、リズムは見えなくとも、音には色がある。音楽教育を受けていなくともアクースマティックは出来ると以前、書きましたがやはり音楽をやっていたほうが密度の濃いものが出来上がるような気がします。クラシックの作曲のように和声を知っていれば作曲するとき横の流れだけを見ずに縦の重なりに気付くことでしょう。どんな音が重なって美しいハーモニーが聴こえてくるのか知らないより知っていたほうがいいでしょう。音楽の勉強だけでなくデザインや他の芸術に興味を持つことも大事とおっしゃっていました。映像から変換するアクースマティックがあってもいいし、色から感じる電子音楽があってもいいのです。何か触ったときに感じる手触りから音を創るもの楽しいでしょう。アクースマティック・アートは様々な芸術が合わさってそれらが集合して出来上がるといってもいいのではないでしょうか。
皆さんにお知らせがあります。
私も入選したCCMCですが2月18日&19日 東京の日仏会館であります。
http://www.acsm116.com/ccmc2012.html
来年、また頑張ろうカナ。興味がある人はぜひぜひ、聴きに行ってみてください。
あなたを音の摩訶不思議な世界へ連れていってくれるでしょう♪