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2012/02/05

いろいろあったから、前・後編じゃなくて、前・中・後の長編小説なのだ!!次回の芥川賞はもらった。

でもワタクシ、なんだか疲れちゃって、ちょっとメンドウなんだよね。でも、そんなこと言うと、「ホレ!見たことか!いつも最初だけで、だんだんヤッツケ仕事になって文章が投げやりで面白くなくなるんだから!!」と怒られてしまうので、、、エット、どこまで書いたっけか。

                                                           

わたくしは以前から、自分の水族館や水族館界全体に何か新しい半歩、欲を言えば一歩、を踏み出して足跡をつけたいと思い、そのためには同じようなヒトと平和に暮らしていては革命は出来ない!と思い立ち、立ち上がったものの、どうしていいかわからず、また座った。

なるべく必要以上の同業者との交流をさけて、俗に言う「浸かる・漬かる」という無意識なヌルマユに身をゆだねるのを恐れ、同じ半魚人でも熱帯魚屋とか釣り人とか、漁師とかさらに魚とはまったくちがうジャンルの偉人や達人と関わって面白い知識を得て、それを仕事に生かすことを目指していた。(今もだから、いる。か)

同じ水族館の相方のT君もそんな感じだったらしく、だから彼の発想はスゴイし、変態だから気が合う。のかな?違ったらゴメン。キライにならないでね。

これは土佐を脱藩して広く日本や世界を見て様々な人に会い、様々な意見を聞いて、最終的には大政奉還を導いた坂本龍馬な感じじゃないの。ワクワク。まぁ坂本龍馬も敵が多かったから、大変だろうなぁ。

                                                              

しかし、そんなわたくしのささやかな決意に正面衝突して爆破するかのごとく目の前の会場はすべて「水族館の人」でうめつくされていた。あぁ、、、。

見渡す限り水族館関係者。オールスター大水族館。水族館の人祭り。魚大好き。水族館バンザイ。水族館の人だらけ。 「まちがえて来ました。オレ、ラーメン屋の店長です。」 なんて人は一人もいなかった。

全国各地の水族館から 「よし!オレが行く!」 とか、 「センパイ、自分に行かせてクダサイ!!」 とか、 「私にかまわないで、はやく!行って!」 とか、 「必ずや戦地では一撃必殺、祖国のために敵艦をみごと沈めて見せます!ばんざい!」 とか、 「マジでかよぉ、オレやっぱりじゃんけん弱いんだよなぁ、ちくしょう、オレかよぉ」 とか、 「行って来い!そして2度と帰ってくるな!」 とか、様々な思いを抱いて水族館関係者が下関に集結したのだ。それはそれでスゴイよね。

大学の後輩も出席していて会えてホッとしたり、下関には「東京チビッコ会議」で出会ったステキな熱血水族館人たちもいるし、その昔、なぜか台風の日に荒波の海へ船で出て一緒にタチウオを釣った名前も顔も荒波のかなたに忘れかけていた方などにも再会して喜んだり、なーんだ、なかなか楽しいじゃないか。

「は!?アンタ、アインシュタインじゃないの!?」 と思わず叫んでしまいたくなるレベルの見た目のオヤッサンが挨拶で水族館に勤めている人は現在全国で1,000何人か(何百人といったが、覚えていない)おるのだと言っていた。と、思ったけどナァ。忘れた。

                                                          

立派な会場で会議が始まった。今日は20個くらい朝から晩まで研究発表が行われる。ボクの発表は明日だから、今日は黙って来る時の新幹線のオヤジのように無表情無反応で座っていればいい。

そんな、手抜きのボクを見越してか、職場では報告資料を提出しなければいけないので、あまり幽体離脱していても怒られてしまう。それぞれの発表をメモしなければいかん。まぁ適当にだが。

みなさん、真剣に生き物の科学的学術的研究をしておられて、ご苦労様なことだ。中には、そんなことしてどうするのだ?と、それこそ意味不明です、といわれそうな発表もあったけど、そういうのに限って、最先端だ!すばらしい!今後も頑張ってくれ!と盛大な拍手や突っ込んだ質問がかわされる。

この状態、坂本龍馬だったら今頃寝てるかナァ。とか思って、あたりを見渡すと、寝てる人はいなくて、みんな真剣にマジメに聞いている。オレはスゴイところに来てしまったもんだ。

知り合いたちと用意された弁当の昼飯を食って、後半突入。後半もバカなボクには、そうですか、ご苦労様です。という感想しか述べられないレベルの高い研究発表が続いた。みんな凄いもんだナァ。それに研究する時間やお金があることがうらやましい。

どこかのビンボウ水族館なんてボールペン1本買うのにも財政的困難を極めており、アシカショーをしながら、水槽の水換えをするという平行作業をして、ショー中に水を入れて放置していた水槽から水が溢れ大洪水が起こる、とか、息子を風呂に入れなければならんからもぉ帰る、とかいう時間の使い方をしているのに、全国には100以上も水族館があるから、それぞれ立場や境遇が違うんだなぁ、と感心した。

なんとか、ドトウの研究発表が終わった。腹が減ったぜ。メシだ。

フグとクジラ、肉も出た。立食パーティーである。なんと、秋篠宮さまもご出席。お昼から来られて発表をお聞きになっていたのだ。

いただきます、の前にお偉いさんのご挨拶があり、そのときから我々は始まったらダッシュだ、と目をつけていたが、やはり用意されたフグは瞬時に無くなった。しかしクジラもウマイ。ウマイご飯で立食パティー。情報交換会。

そのあと二次会があったけど、ボクは生まれつきお酒が飲めないし、知らない酔っ払いとシラフで絡むことができない小心者だ。何よりも何よりも、明日発表が控えている。練習せねばならん。今日の発表では、重役達からなかり攻撃的な突っ込み質問が出ていたので、あんな質問されたら、わしゃぁかなわん。

ホテルに戻ることにした。なんと、この日はオレ、誕生日だったんだよね。帰り道のミスドでドーナツとスターバックスでラテを買って、ホテルの部屋で寂しく我が誕生日を一人で祝った。チェックインの時、生年月日を書いたので、ホテルの人は、この人、誕生日じゃん!と知ったらしく、部屋のベッドの上に、「お誕生日おめでとうございます」とメッセージが書かれた紙がおいてあった。

目がしらが熱くなった。

うっせーよ!!と叫んでそれをゴミ箱に捨てた。オレの顔も知らず、祝うキモチも少しもないくせに、よけーなことスンナよ。

発表の準備だ。

つづく。

 

 

2012/02/05 10:00 | kobayashi | No Comments