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あけましておめでとうございます。今年もレインボーノートを宜しくお願い申し上げます。
さて、この記事を連載している私にとっては、読んで下さっている皆様の反応が毎回気になるところですが、ある読者の方から『年賀メール』を頂き、せっかくなので対談をさせてもらえないでしょうか?という話になり、今回はその対談の内容を掲載したいと思います。
今回の対談のお相手は、レインボーノートを欠かさず読んでくれているという、聖子さん(仮名・33歳)です。
中「レインボーノートを毎回読んで下さっているそうで、ありがとうございます」
聖子「2週間に1回という更新ペースが、ほど良く読む気にさせられます(笑)」
中「聖子さんがレインボーノートを読むことになったきっかけを教えて下さい」
聖子「たまたま、ネット検索をしていた時に、レインボーノートに行きついたんですよ。どういう言葉で検索をかけていたのかは忘れましたけど、読んでみたらちょっとハマりました(笑)」
中「聖子さんはセクシャルマイノリティなのですか?」
聖子「いいえ。でも、何か他の大多数の人とは違うなというか、いや決して唯我独尊的な発想ではないですよ(焦) 自分の個性にちょっと自分自身で戸惑うところもありまして。そういう人とちょっと違った人の生き方というものに興味があって、それを垣間見えるレインボーノートにハマったのかなと思います」
中「ちょっと変わった個性ってことですか?そんなに自分自身でも意識してしまう程のものなのですか?」
聖子「自分の生き方に対する考え方が、私の周りの大多数の人とは違うなって思うんです」
中「具体的に聞いてもいいですか?」
聖子「私は結婚していますが、子供をつくる気はありません。別に夫と仲が悪いわけではなく、お互いに子供をもうける気がないんです。2人だけの時間をずっと過ごしていくつもりです」
中「なるほど。確かに最近は子供をつくらない夫婦も増えてきているとは聞いていますが、実際にお目にかかったのは聖子さんが初めてです。でも、なぜ、最初から子供をつくらないと決めているのですか?」
聖子「別に子供が嫌いなわけではないんですよ。私は今、自分が子供のころから憧れていた仕事に就いていて、私生活でも大好きな夫と円満に生活していますし、全てが充実しているんです。今のままの状態がずっと続けばいいというのが心からの願いです。でも、もし子供をもうけると、出産・育児のために仕事を中断せざるを得なくなりますし、その間に仕事のキャリア的にはロスをしてしまいます。育児も子供が大きくなるまでずっと続くわけですし、例え、仕事に復帰したとしても、今のような時間の使い方は出来ません。自分にとって一番貴重な自分自身のための時間を自由に使えなくなるのが怖いんです。だから、子供はもうけないと決めているのです」
中「なるほど。聖子さんの言い分はよくわかりました。でも、ご主人はそれでいいのですか?」
聖子「主人も理解してくれています。私のこういう考え方を承知の上で結婚してくれましたから。それに主人自身も2人だけの時間を大切にしたいと言ってくれています」
中「そうですか。お幸せそうな2人ですね。でも、大多数の他人と考え方が違うということについて、どういう時にそれがストレスになったりしますか?」
聖子「やはり、無神経に「あなたもそろそろ子供をつくらないと」とか、「もし不妊症で悩んでいるならいい病院を紹介してあげる」とか「両親に孫の顔を早く見せてあげないといけないね」とか言われる時ですね。余計なお世話!!と思いますが、いちいち自分のライフスタイルについて説明するのが面倒で「はぁ」とため息交じりの返事でかわしています」
中「セクシャルマイノリティは自分の子供を持てない人が大多数なので、それとダブって見えるわけですかね?」
聖子「それもあるでしょうけど、それよりも、周りのプレッシャーに耐えている姿とか、世間の常識なるものに逆らって自分らしく生きようとしている姿に共感を覚えるからです」
中「なるほど。確かに自分らしく生きることで、世間の常識に反しているというのは、聖子さんとセクシャルマイノリティの共通点かもしれませんね」
聖子「そこを強調されると、私があまりにも非常識な人間みたいに聞こえますが…(苦笑)」
中「ごめんなさい(焦)」
聖子「セクシャルマイノリティの人たちが、自分自身の力だけで生きていくために、キャリアを磨いたり、自分で努力して起業したりするということにも共感できます。私は家庭を守るお嫁さんタイプの人間ではなく、社会の中で働く女性として人生を過ごしたいタイプですから、余計に共感できるんです」
中「家庭を守るのも立派ですし、仕事をバリバリこなすのも立派だと思います。どちらかが評価が高くあるべきというわけではなく、どちらを選択するのかについて自由な判断を許容する社会であって欲しいと思いますね」
聖子「私は結婚しましたので、いつ家庭に専念するんだ?的なプレッシャーが常にあります。会社や同僚からもそうですし、私と夫の両親や親戚からもです」
中「結婚していなかったらしていなかったで、今度は結婚のプレッシャーがあるのでは?」
聖子「そうでしょうね。でも、ある程度の年齢になれば、それも和らぐと聞きます(苦笑) 結婚したのに、会社も辞めず、子供をもうけようとしない私は、ちょっと変わっていると見られてしまうようです」
中「う~ん、なるほど。子供をもうけるために結婚したわけではないですからね」
聖子「そうなんです。動物のオスとメスのつがいではなくて、人間の男女のペアなんですから、生殖行動が全てではありません」
中「少子化が問題になっていますが、耳が痛いですか?」
聖子「意地悪な質問ですね(苦笑) 確かにいい気はしませんよ。でもそういう気分もセクシャルマイノリティの方と似ているのかなと思うと、レインボーノートに登場する方々に親近感を持ったりするわけです」
中「マイノリティの悩みを共感しやすいのは、同じくマイノリティかもしれませんね。分野を問わず、社会の常識と戦っている人々は、共同戦線を張れるのかもしれません。これからもレインボーノートとセクシャルマイノリティのサポーターで有り続けて下さいね」
聖子「はい。今後の記事も楽しみにしています」
中「今日はありがとうございました」
聖子「こちらこそ」