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そろそろどこも寒さのピークを迎えているところと思いますが、屋久島はどうにか最低気温5度をキープしています。島の人いわく、屋久島の気候は「夏は沖縄・冬は北海道」というぐらい、南の島にも関わらず寒暖の差が激しいのです。小さい島なのに、観光客やビジネス客の置き土産なのか、この時期になるとインフルエンザや嘔吐下痢症が蔓延し、我が子2人も本日仲良く発症・・・家に帰ってから水回りの掃除とアルコール除菌に追われておりました。。。
さてさて、題名にもあった「ぼんぼん」、一見、金持ちの坊ちゃんの様なのですが、この時期になるとうちの地区の限られた家だけにやってくる、お寺の厄除け行事で正式名称は「寒行(かんぎょう)」というらしいのですが、近所の家に回っているときに「ボンボンボンボン」と楽器?の音が集落中に鳴り響いているのでうちの親戚はみんな「ぼんぼん」と呼んでいるそうです。
回ってくる家というのはうちの集落の近くにある法華宗のお寺の檀家さん宅限定で、住職+檀家さん+住職の娘さん(小学生)が白装束姿で玄関先にやってきて、ぼんぼん(太鼓みたいな宗教的な何か)の音色に合わせながらお経を唱えてお札を頂き、こちらは志の封筒を渡して帰っていくというものなのですが、薄暗くなった時間になってくるもんだから最初ここに引っ越してきたときは何なのか全くわからず、びっくりしたものです。
ちなみにこの白装束軍団が来た時には玄関を開けて、玄関先でお経を唱えていただいている間は、家族全員が玄関で正座をし、このお経に聞き入るというのがルールらしいです。ただこのルールは最近知ったので、以前の私は住職がお経を唱えているのに台所でご飯の支度とかやってました(笑)
同じ集落の中でも、法華宗と浄土真宗の方がいらっしゃるので、集落全員の家に回ってくるわけじゃないそうで、近所の人に「明日、ぼんぼん来るらしいですよ」というと「ぼんぼんって何???」と不思議がられることも多かったのだが屋久島歴10年も経つとこういった行事も慣れたもので、今年のぼんぼんの際にはうちの小学生の長女が「ママ~!!ぼんぼん回ってきてるよ~!!」と台所へ声を掛けてくれたので、間一髪、志の封筒を用意しそこねずに済みました。
でも白装束の軍団が来ると子供達は怖いらしく、私だけ玄関で正座をし、子供たちは靴箱の後ろに隠れていましたが(笑)
この習慣は何十年も前からあるそうで、近所に住んでる同じ檀家さんの方に聞いてみたら「私が小さい時も暗くなったら遠くから変な音は響くし、白装束の軍団が玄関先にやってくるからかなり怖かった覚えがあるよ」などと話してくれました。ちなみにぼんぼん中はなんとも緊迫した空気が流れているので恐れ多くて写真は撮れませんでした(笑)
そのついでに聞いた話によると、今から30年ほど前まで、うちの近所の小学校は墓地の横にあり、まだその頃、その墓地では死人を土葬していたらしく、授業中にふと窓から墓地の方を眺めると、大きなたらい?に入った遺体を運んで土葬する様子が見えたこともあり、授業中もなかなか勉強に集中できなかったそう。
今は小学校も移転、墓地も移転し、土葬された遺体は火葬されて新しい墓地に埋葬されなおしたそうですが、自分が小学生だったら絶対に怖いですよね。だから屋久島の人って肝が座ってるんですかね(笑)
余談も入りましたがこれ全部実話です。
この時期に遠くから「ぼんぼんぼん」と太鼓の音が聞こえたら厄除けなので安心してくださいね。
インフルエンザがどこも蔓延しているようですが、皆さんも体調を崩されないように気を付けてくださいね。