« 鳳梨酥 | Home | 恋愛における携帯というツール »
2010/11/09
コンペティション部門で最初に観賞したトルコ映画『ゼフィール』は
強いインパクトを残した。
Copyright © 2009 FC ISTANBUL (Film Company Istanbul)
舞台はトルコの黒海東部の丘陵地帯。
多感な思春期を迎える少女ゼフィールは夏の間、
田舎にある祖父母の家にあずけられている。
山で遊んだり祖父母の手伝いをしてのびのび過ごしているように見えるが
内心は母親が迎えに来てくれるのを心待ちにしている。
しかし、やっと現れた母親はつかの間の滞在後、
ボランティアをするためにゼフィールを残して単身外国に旅立とうとする。
母親と離れたくないゼフィールは、必死で立ちふさがり、
ついには悲劇を招いてしまう……
ストーリーは単純で途中から結末が見えてしまうが、
牛の親子をゼフィールと母親にたとえてゼフィールの寂しさを描写したり、
ゼフィールがトカゲの死体を埋葬して彼女の死に対する畏れを表現したり、
生き物の使い方にベルマ・バシュ監督の独特の持ち味がでている。
Copyright © 2009 FC ISTANBUL (Film Company Istanbul)
特に両性具有の象徴といわれるカタツムリの動きを
スローズアップで追いかけるシーンは
ゼフィールの混沌とした心理をうまくとらえていて秀逸だ。
Video URL
http://www.imdb.com/video/wab/vi162400537/
2010/11/09 10:05 | higashide | No Comments