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ジャグリングは大道芸で行うものというイメージが強い所為か、アウトドアで行うものというイメージが強いのではないかと思います。
無論、アウトドアでやることも多いのですが、練習はできるだけ室内でやりたいものです。天井の高い体育館などで。
アウトドアでやると、地面が傾いていたり、落としたときに道具が汚れたり、寒かったり暑かったりしますが、
それよりも障害になるのが、自然の驚異、風と雨と太陽です。
○風
想像するに難くないと思いますが、風はジャグリングの天敵です。
アウトドアでジャグリングをするにあたり、風が吹いていて良いことなど一つもありません。
投げ続けたりするためにほとんどの道具はそれほど重くはありませんから、風の影響はもろに受けます。
特に表面積の広くて軽くできているリングなどは、木の葉を揺らすような風が吹いているだけで手元が狂います。
その為、リングをアウトドアで練習するジャグラーはほとんどいません。
ジャグリングの道具の中では比較的重いクラブ(ボウリングのピンのような道具)やディアボロ(中国独楽)ですら、
リングほどではないけれど風の影響を受けます。
特に突風が吹いたときに手元が狂うため、風が強いときにはできれば外ではやりたくないものです。
さらに、ショーを行う上で厄介なことに、
ショーを見ているお客様にとっては、その風は特に気にならないということです。
大きく道具が流されれば流石にお客様も「ああ、風に流されたな」と判ってくれますが、
手元が狂っての失敗は、お客様にはただの失敗としか映らないことが多いのです。
木の枝が揺れる程度の風のことを「ジャグラー泣かせの風」
耳元で轟々と音が鳴る風のことを「ジャグラー殺しの風」と呼びます(笑)
○雨
こちらもあまり疑問に思うことはないと思いますが、風と並んでジャグリングの天敵なのが雨です。
ただ、「風」と違って、やりたくない原因が、「道具を壊してしまうから」ということが挙げられます。
ビーンバッグ系のボール(布製が多い)などは、水にぬれると表面がふにゃふにゃになって
その後使い物にならなくなってしまうこともあり、 雨天では絶対にやりたくありません。
デビルスティック(杖を浮かせるジャグリング)などは、道具同士の摩擦が命で、
これに水分がついてしまうと摩擦が失われ、 こちらもやはり失敗の原因となってしまいます。
(普段から、デビルスティック使いは道具の摩擦に非常に敏感で、水分をぬぐうタオルなどは常備しています。)
逆に、ディアボロの紐は水分を吸ってしまい、摩擦が大きくなってしまい、こちらも使い物にならなくなってしまうことがあります。
しかし、クラブのような雨に強い道具は小雨ならば決行させることもできなくはありません。
とは言え、ショーを行っている最中に雨が降ってきた場合、
風の場合と違ってお客様は帰ってしまうことも多いので、そこまで無理にやらなくても良いような感じもしますが。
雨のもう一つ嫌なところは、「地面がぬれる」と言うことです。
これは、雨が上がった後にも影響をするわけで、地面に置くと道具が濡れてしまうという事態になります。
ボールを水溜りの中に落っことしてしまったところなど、悲惨すぎて目も当てられない。
「風」の例と同じで、お客様側にとってはあまり関係のないことですが、やっている側にとっては嫌がられます。
道具を置く場所はトランクの中にして、あとはジャグリングを失敗しなければいいだけの話ではありますが
そう簡単に失敗なしで終わるなんてことはできないもんです(笑)
○太陽
意外と思われるかもしれませんが「太陽」もまたジャグラーの悩みの種の一つ。
そりゃあ晴れた青空は気持ちいいですが、上を向いて投げることの多いジャグラーにとっては、太陽の位置はかなり重要です。
練習のときは太陽を背にすればいいだけの話ですが、これがショーになるとそうはいかない。
大道芸をやる時は自分でお客様の位置を調整できるのですが、
あらかじめステージが組まれたりしていて、もろに太陽に向かってやらなければならなくなった時は正直かなり厳しい。
そんな時のため、サングラスを準備しているジャグラーもいるくらいです。
逆に、太陽を背にするように演技をしてしまうと、今度はお客様がまぶしい思いをしてしまいます。
理想なのは太陽を横に見ることですね。
直接は太陽が原因ではないのですが、季節によって客席を調整するのも大道芸人の腕。
夏ならば客席が日陰になるように演技ポイントを調整し、冬ならば逆に日向になるようにします。
夏場、炎天下で延々と大道芸に付き合うようなお客様は少ないでしょうしね。
そんなわけで、 「ジャグり日和」な天気はどういう天気かというと、
まずは無風。空は太陽が隠れる程度に雲が出ており、暑くも寒くもない気候です。
ここ浜松は年中風が強く、ジャグり日和になることというのは滅多にありません。
まあ、正直練習は常に体育館の中でやりたいですね……。