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2011年最後のレインボーノートとなりました。今年もお読み頂いて誠にありがとうございました。
今年、読者の皆さんにはどのような1年となったのでしょうか?
今年は何といってもやはり、東日本大震災の記憶が大きく残りました。未だに深く残る震災の傷跡は、2011年という年を当分の間忘れられない年にしてしまいました。
「絆」という言葉が、2011年のテーマのように使われてきましたが、人の命が儚いものであるという事をあらためて実感することになった今年は、人と人との絆の大切さを否応なしに実感させられました。
レインボーサポートネットには、震災後から、同性のパートナーとの関係をより強固にするために、パートナーシップ契約の作成のご相談や遺言書作成のご相談、成年後見制度利用に関するご相談など、万が一の事態やいずれは訪れる「死」を想定した手続についての問い合わせが多くありました。
LGBTの方の中には、人との「絆」をわざと断っているような方も多くいらっしゃいます。それは、LGBTであることの「生きにくさ」を人間関係の中に持ち込むことを避けているためだと思われます。
そうした人が、今回の震災をきっかけとして、人と人とのつながりや絆に関して、考え方を変えたというケースがみられるのです。
中には、このお正月に、久しぶりに実家に帰って、セクシャリティについてカミングアウトして家族の理解を求めるという相談者もおられました。たとえ理解が得られなくても、ありのままの自分を、せめて家族には知らせてあげたいというのです。
絆の大切さを実感するという事は、ある意味、自分自身とその周囲の人との関係性を見つめ直すということでもあるのです。
「人は1人では生きてはいけない」と言いますが、それは、物理的・経済的な観点のものではなく、精神的・環境的な観点からの格言でしょう。
何につけても便利なこの時代、何でも割り切って、自分の思うままに生きていくことも可能ではありますが、そういう自分本位の生き方だけでは得ることのできないものの正体が、「絆」の中に隠されているのかもしれません。
2012年は、あらゆる人々が、自分を取り巻く数々の絆をより強固なものにして、あらゆるマイノリティに対して、どこかの絆でつながっているような社会へと発展していくことを願うばかりです。
どうぞ、良い年をお迎え下さい。来年もレインボーノートをよろしくお願い申し上げます。