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2011/12/28

今年もあとわずか。
この季節よく耳にする第九、皆さんフルサイズで聴いたことありますか?

ベートーヴェンが作曲した交響曲第九番。
歓びのうたとして親しまれているメロディは4楽章(終楽章)で奏でられる。

私が卒業した音楽大学では、声楽科の学生は3年生になると、合唱の授業の一環でN響の第九に出演できた。(今はどういうシステムか不明)

それまで第九に特別な思い入れはなく、その時初めて勉強したようなものだった。
それ以来、第九は歌っていないが今だに歌詞も覚えてるし、
自分にとって強烈な出来事だったのだと思う。

第九は全部で一時間以上ある大作だが、よく知られているあの有名な合唱部分は実はちょっとしか出てこない。
しかも4楽章までみっちり待たされる。意外でしょ?

1楽章はあのメロディとはかけ離れた激しさがあり、初めて聴く人は第九だとは思えないだろう。
その後も2楽章、3楽章と続き(3楽章がまたゆったりとしたきれいな旋律なんだよね)、やっと4楽章であのメロディが現れる。

この旋律か?いや違う、ではこれか?これも違う、これだ!、と出てくるのがあのメロディだ。
最初はオーケストラで何回か繰り返され、その後ソロと合唱の掛け合いで高まり、
やっと、オケと合唱が一つになり、はじけるように輝かしく現れるのは、聴く方も演奏する方も散々待たされただけに、スカっとする箇所ではないだろうか。

このやっと出てきた合唱とオーケストラの堂々としたフレーズも、待っていたからと言って、何回も繰り返したりはしない。
結構あっさりと終わってしまう。
その後は何があるかというと、テンポがゆっくり、且つ壮大なメロディーになったり、追い立てるような曲調になったり、緩急を繰り返しフィナーレに向かう。
フィナーレに入ったらもう止まらないという勢いで一気に最期を迎える。

なんという名曲だろう。
空を眺めるのと同じように、この曲の前では自分が小さな存在だと感じてしまう。

最近は大規模なものから、市民レベルまで、プロじゃなくてもあなたも第九を歌ってみよう、みたいな企画があちこちで見られる。
オーケストラと共にあのメロディを歌う心地よさ、爽快さ、感動は忘れられない!
機会があったらぜひ歌ってみてほしい。

2011/12/28 10:52 | aimi | No Comments