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2011/12/22

こんにちは、笠原ちかです。
一番最初に何を書こうか迷ったんですけど、まずは一番よく聞かれる、この質問から
書いていきたいと思います。

「なんでこんな仕事をしているの?」
「君みたいな子が、どうして?」

これは、働いているとき、よくお客様から聞かれた質問です。
ちょっと不思議なのですが、キャバクラで働いていた時も、風俗店で働いていた時も、
初対面のお客さま(当然、男性)はほとんど必ずと言っていいほどこういうご質問を
なさいます。

この質問に対するわたしなりの模範解答は、「お酒が好きだから」(キャバクラ時代)、
「エッチが好きだから」(風俗時代)だったのですが、勿論それだけではありません。
女の子によって水商売に入る理由は本当にいろいろだと思うのですが、
わたしの場合は「男の人に選ばれること」が異様に好きだったから、だと思います。

わたしは決してかわいい容姿をしているわけでもないし、美人でもないです。
だから東京に出るまで彼氏がいたこともなかったし、男友達にちやほやされる女の子を
見るとものすごく羨ましくて仕方ありませんでした。
自分でもかわいくなりたくて、つまり男の子にかわいいねって言われたくって化粧や
お洋服をそれらしく選んでみたりもしましたが、ぜんぜんだめ。
あとから思うともしかしてちょっと暗かったのか、とか、モテオーラみたいなのが
なかったせいかもしれませんが、とにかくあんまり恋愛経験もなく、なので男の人と
ちゃんと会話すらできず、このまま二十歳になるのかなーと思っていたのです。

そんな18歳の春、歌舞伎町でスカウトというものを初めて受けて。
もちろん芸能事務所とかではなく今考えると明らかに非合法な感じだったのですが、
それでも男の人とおしゃべりできてお給料がもらえる、キャバクラという世界はもの
すごく魅力的に感じました。
キャバ嬢=美人、という思い込みもあって(実際は容姿については?なひともいます)、
わたしが早速その日に体験入店という一日だけのキャバ嬢体験をしました。
その日の時給は2000円くらいだったかな。
暇な日だったのかお客さんには一人にしかつかず、しかもそのお客さんがものすごく
いい人で、お店の常連でもあったので、わたしはほとんど座ってただけで一万円近く
も貰ってしまったのです。

これは、衝撃でした。
お客さんの話にただ相槌をうって(自分からは話せない)、お酒を作って(しかも適当
な水割り)、ニコニコ笑うだけで一万円。そのうえお店のドレスも借りて髪を巻いて、
自分でも別人に変身したみたいな、変な自身もついて。
今でも青ざめるほどの素人ぶりですが、その時はそんなことにも気付かなかったし、
ママさんが「明日も来る?」なんて聞くから、つい頷いてしまいました。
(もちろん、翌日以降は厳しいお店のルールやしきたりみたいなものを覚えるのに
 必死になったわけですが…)

それがきっかけで、わたしはそのお店に勤めることになりました。
週5回、毎日夜6時から12時まで。
最初はほんとに自分にできるのか不安でいっぱいで、一ヶ月くらい働いて、他のお姉
さんたちみたいにお客さんを捕まえることが出来なかったらやめちゃおうって思って
ました。その時はきっと向いてないって思えるんじゃないかって。
でも、初めてお店に「出勤」して二日後、体験入店したときについてくださったお客様
がまた来てくださって、指名をくれたんです。
初指名!!
名指しでわたしを読んでくれたのが嬉しくって、その日はいまでも忘れられません。

長く勤めていると、必ず「指名」で来てくださるお客様が少しはでてきます。
指名、って、この子がいい、って思って来てくださると言うことです。
たくさんお店があるのに、お客さまはわたしと時間を過ごすことを選んでくださった、
この最初の感動が、たぶんわたしのスタート地点だったのだろうと思います。

最初なので気合が入ってしまってちょっと長くなりました。ごめんなさい。
次は、女性からよく聞かれる、お金の話をしようと思います。

2011/12/22 12:00 | chica | No Comments