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2011/11/18

去る10月13日、ブータンは華やかな話題に包まれた。
日本でも多くの報道があった、若き国王の結婚式。

その国王が、今週、新婚の王妃を伴って訪日している。
先日来、メディアでも報道されているので、ご存知の方も多いだろう。

残念ながら天皇陛下がご病気のため、皇太子殿下が名代を務めるとのことだが、
ブータン国王 (31) に対して、皇太子 (51) という年齢のねじれがなんとも言えず…

という下世話な話はさておき。

17日も、慶応大学での名誉博士号授与、国会演説、講道館で柔道見学、
と、ちょっと忙し過ぎて心配になるくらい、実に精力的に動き回られた両陛下。

特に、正午過ぎから行われた国会演説の中の一節からは、
国王の偽りの無い日本への親愛の情が伺えた。

「不幸から立ち上がる国は日本」…ブータン国王 │ YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111117-OYT1T01055.htm

【動画】「震災復興すると確信」ブータン国王が国会演説 │ ANN news CH

明日は、被災地である福島を訪問されるとのこと。
実際の現場を目の当たりにした国王は、どんな言葉を紡ぐのだろうか。

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そういえば、先日、こんな記事が出ていたのを思い出した。

「幸せ」教育強化のブータン ネット、ケータイに危機感 │ MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111019/asi11101920440004-n1.htm

「幸せの国」
「桃源郷」

ともてはやされて、早幾年。
いまだに、ブータンと言えば「GNH(=Gross National Happiness)」という、
一極報道には少々辟易もするが、それだけブータンという国が日本人にとって、
非常に縁遠い国であったということ。

ブータン研究に携わっている自分自身にとっても、
ブータンという国のことが、どのようなきっかけであれ、
こうして日本に良いカタチで知られることは、決して悪いことではないと思う。
(なにしろ、自分だって、まだ研究をはじめて2年足らずのペーペーなのだ)

ただ。
諸外国から、そんな眼差しを向けられている国を統治する、
というのは、尋常ではないプレッシャーがかかっていることは想像に難く無い。

そして、実際問題として、ブータンはいま、大きな岐路に立っている。

自分の研究が、そういった現状をつまびらかにする一助となるよう、
これから鋭意、修士論文の執筆に励みたい所存。
もう提出まで2ヶ月を切ったのにまだ励んでないのかよ、というお叱り歓迎。

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なお、誠に僭越ながら、本日(17日)開催された、
国王、王妃の訪日歓迎レセプションパーティーの末席に名を連ねることができた。

中田英寿氏や加藤登紀子さんなど、何らかのカタチでブータンに縁のある方々、
総勢400名強が列席した華やかな会では、冒頭、国王から、

「私は(参加されている)日本のみなさん一人一人をハグしたい気持ちだが、
それは難しいので、代わりに私の妻をハグします」

という、なんともハートウォーミングなサプライズ演出が飛び出した。
さらに、国王、王妃両陛下と全員が握手をする光栄にも浴することができた。

自分とさほど歳も違わない国王の、サービス精神に溢れた見事な国王っぷりに、
「こりゃあ、ブータンの人たちが国王が好きになるのも頷けるわ」
などと、すっかりブータンびいきに拍車がかかってしまったと同時に、
ますます、これは下手な論文を書くわけにはいかないと、
気を引き締め直すには、最高のイベントになったことは間違いない。

残念ながら、会場での写真撮影は御法度だったので、こんな写真でご勘弁を。

2011/11/18 12:00 | fujiwara | No Comments