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2011/11/08

最近、生活していて一番ストレスになっていたのが養成所の修了公演について
考えたり、譜読みしたり、暗譜したり…という行為で

どうしても手に入れたい役やメロディーがあれば目をランランさせて取りにいくのだろうけど

もし、巷にこの演目たちのキャスティングオーディションが開催されたなら確実にスルーしていただろうと思っていたくらいなので…

養成所、クラスという組織とは残酷なもので
演目の登場人物キャストを争奪する…ということになります

いい役、オイシイ役というのはなにをどうみたらオイシイというのかわからないけれど
主役、準主役をみんながやりたがるのは当たり前の話です

演目発表されて、しばらく何に苦しんでいたかというと
今の私の身丈に当てはまる役がないことに自分で薄々気づいてしまったこと

最終の年になって…1年でパワーアップして素敵な役を手に入れて修了するというのが野望だったけれど
それは無理そうだと思ってしまったのが今秋のことでした

葛藤して苦しんでウジウジして
親愛なるマエストロからは
「与えてもらった役をお客様に失礼のないように演じることが今、やるべきことだ」と指摘され
2ヶ月経って、数日前に声楽のセニョールには
「役を取りにいこう!という意識でオーディションに臨まず、
今の自分はこれだけ歌えます、私の持ち声、テクニックはこれです
という提示機会だと思いながら歌いなさい。」
とアドバイスもらいました。

今日のキャスティングオーディションで
私は、控え室でも、出番でも相当落ち着いていたと思います。
誰かを敵視するなんて全くないし
今の自分に必要な役がくるハズ!と思っていたからかもしれません。

その余裕は、ここ数年の現場を経験させてもらったことからもきていると思います。
私にできる役だから
私がぴったりだったから
キャスティングされる

それだけのことなんです

この役じゃないからダメ歌手 とか
脇役だからダメ とか
そんな世界聞いたことありません。

「順位で主役が決まるなんて学校だけでしょう」というベテラン歌手の方のお言葉

そう思うとスッキリしました。

身丈にあった役
試練として向かってくる役

役は自分で取りにいくものではない

やりたいと願う役は時がくれば演じられる機会がくる
オーディションにしろ依頼にしろ
役から呼ばれる

修了公演でキャスティングされた役はヒロインではありませんが
ヒロインの旧友で彼女の生い立ちを代わりに語るシーンがあり
役としては重要だと思います

スコアでmezzo sopranoの役と書かれていますが
私の声が一番キレイに聞こえる中間音域でかかれていて
今日見直して…魅力と愛着を感じました

学生時代、sopranoであっても中間音域を磨くように教えてくださった師匠に感謝します

2011/11/08 07:06 | uika | No Comments