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2011/10/16

さて、前回の記事から、あっという間に1ヵ月。
サボりまくっててすみません…。

謝罪(言い訳とも言う)を並べ立てることはいくらでもできるけれど、
そんなもの書いてみたところで、全く読者が嬉しくないコラムなので、
前置きはこれくらいでご勘弁いただくことにしよう。

3週間弱に渡る旅先から帰ってきたばかりということもあって、
できれば旅のレポートを書いていきたいところなのだが、
いかんせん、8月のブータン調査旅行の話もまだ書いてないし、
今度もまた、割と考えさせられる旅だったので、まだイマイチ消化不良。

というわけで、今回は繋ぎの小ネタを少々。
みなさんにはあまり馴染みがないかもしれない、
「国際学生証」の話をしてみることに。

まず、「国際学生証」とはなにか?
別名ISIC(International Student Identify Card)カードとも呼ばれ、
ユネスコ承認の世界共通の学生用身分証明書、らしい。
Cardとカードがダブってるじゃねーか、という話はこの際置いておいて、
割と世界中で通用する、それなりに権威のあるカードのようだ。

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このカード、大学生協などで割と簡単に作れるので、
いままでも一応、持ってはいたのだが、
いかんせん、あまりそのメリットを享受したことはなかった。

というのも、
アジアの場合、このカードを提示したところで、
「なにそれ、おいしいの?」くらいの冷ややかな反応をされることが多々。
そんなのが積もってくると、だんだん、出すことすら躊躇いがちになり、
しまいには、海外に出る際に「コレ、ホントに持っていく必要あるのか?」
と、小一時間ほど悩んでしまう、という残念な結果が待っている。

今回、旅支度をしているときにも、正直、
「別にかさばらないし、とりあえず」くらいの軽い気持ちで荷物に忍ばせた。

ところがどっこい、
ヨーロッパの場合、効果てきめん。
至るところで入場料割引、場合によっては列車やバスの運賃すら割引になる、
素晴らしい魔法のカードに早変わりしたのだった。

例えば…

ロシアのクレムリン宮殿入場料
一般:350ルーブル(≒¥1200)→学生:100ルーブル(≒¥350)と1/3以下。

ラトヴィアのトゥライダ歴史保護区入場料
一般:3ラッツ(≒¥450)→学生:1ラッツ(≒¥150)と1/3。

などなど。
大概の博物館や美術館で、半額以下になるというお得感。
いままで邪険に扱ってきた彼をちょっと見直した。

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もうひとつの効能、というか本来はこっちが主のはずなのだが、
旅先での身分証明書としても勿論使える。

旅行中、何かあった時のために、身分証明書を持ち歩くことは必須。
ただ、普通はパスポートくらいしか国際的に通用する身分証明書がないので、
結果、パスポートを肌身離さず持ち歩くことにならざるを得ない。
しかしながら、その行為は、スリなどに遭って紛失するリスクと隣り合わせ。
なんとか持ち歩かずに済む方法はないだろうか、と考えたことがある、
という方もいるのではないだろうか。

そんな旅のマストアイテム、パスポート代わりの身分証明書として、
この国際学生証はそれなりの威力を発揮する。
何もないことに越したことはないのだが、何かあったときのお供に、
財布に忍ばせておくだけでも、安心感がちょっと違う。

とはいえ、国によっては、全く通用しないことだってあるし、
万能ではないことを理解した上で、リスクとの天秤にかける必要がある。

なにより、安宿を転々とするような学生の場合は、
そもそも、パスポートを宿に置いていくほうが、万倍危険…
そして、まともな宿に泊まれるようになった頃には、
もうすでに学生ではない、と。

世の中ってヤツは、なかなかどうして上手くいかないようにできている。

とまあ、「国際学生証」について、つらつらと書き連ねてみたものの、
最後の最後まで来て、はたと気づく。

よく考えたら、このコラムの読者に、「学生」なんているのだろうか、と。

2011/10/16 12:00 | fujiwara | No Comments