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2011/10/13

はつかぼうず

今日も「魔笛」稽古でした
二回目のマエストロによる個人特訓をまたも組んでいただきました

「基本的な歌うための発声が安定しないために、アンサンブルにならない」

外国語を歌うための口腔の響かせる場所が違うから声が浮きすぎて

アンサンブルにならないのだそう

先日と今日、かけてもらった魔法を自分のものにしない限り、どのオペラも歌っていけない

と言われました

「一緒にアンサンブルをしたくない、と言われたら、もうその役を降りるしかないんだからね」

という今日のお言葉は私に衝撃を与えました

逆に、この魔法を扱える人はどのくらいいるのだろうという疑問も生まれました。

本物のアンサンブルを知っている人は…本当に数えるくらいしかいないのではないだろうか。

それは言いすぎかしら…

個人レッスンのあと、またしてもコレペティの先生もマエストロも

「全然違うけど、自分でわかるか?」ときいてくるので

正直に「違うのはわかるのですが、自分の中ではモゴモゴ聞こえるし、しっかり旋律となっているのか

全然わかりません。」と言いました

そんな答えが返ってくることをわかっていたのか

「自分に良い声に聞こえる声は最悪な声だ。人が聴いていいという今日の状態を覚えてしまえよ。」

実はこれは…私を歌い手として見込みがある!と導いてくださった先生方が必ず言う言葉なのでした。

マエストロは一度だけでなく、レッスン毎、私に

「僕が君を選んだんだから。僕に責任があるから」と言います。

「一番最初の君は、アンサンブルにならない。」とハッキリ言われたにも関わらず、

キャスティングにひと押ししてくださったこと、そして「君だけはオーディションを受けてたからね」と

特別にレッスンをつけてもらえていること、地道な作業でもって私に叩き込んでくださっています。

基本発声もままならない私を選出の時点で脱落させずに、指導していただいていることに感謝し、

私をオペラの舞台に立たせるチャンスを与えてくださったこと

原石ともいえない、石ころな私を拾ってくださったことにも感謝しっぱなしなのです

今まで個人的に指導いただいた恩師の方々にはもちろん

高1オーストラリアホームステイ先で何気なくみんなの前で歌ったとき、

たまたま声楽家のおばあちゃんがいて

私のもとに素っ飛んできて「あなたの声素晴らしいわ!!あなた!!!もっともっともっと勉強しなさい!!絶対よ!」と説得、そしてメモを手に握らされた日のこと

一番初めにお世話になった師匠が

「普通大学行っても、絶対に歌だけは続けなさい。辞めてはいけません。

音大にいくのは反対しましたが

あなたの声は歌い手としてもって生まれた声なんですから。」

と私に説得したこと

今考えると当時の私には、

自分の声にそこまでの可能性があるなんて夢にも思ってなかったのです

養成所に入って「君の声は、声オタクな僕が聴いても今まで稀になかった。君は歌い手になるべきなんだ。」

と主任に言われたこと

養成所3年目にして初めて「高橋は一番化けるよ。世に出る。」と言ってくださった先生

昨年、「とっても素敵な声を持ってるからぜひ演ってください」と初舞台に乗せてくださった先生

そして

「絶対に世に出る歌姫になる。これから僕を信じてついてきなさい。」と私を見つけてくださった親愛なるマエストロ

そして夏、忘れられないくらい魔法がかった公演を私に経験させてくださったこと

くだらない弱音を吐いて、腹を立てさせてしまったこと

「僕の耳を、僕のことをバカにしているの?どうして、そこまで自分のことも信じられないのか」

と言わせてしまいました

最近、稽古に出ていて

今までの短い人生の中で、こんなにも歌の世界で生きるべきだと背中を押してくださる大人の方が

そして、尻に火をつけたり、手をひっぱって導いてくださった先生方がいたこと

その日々、お言葉、ご指導を思い出している時間がほとんどです

気付くのに時間がかかりすぎて、自分で自分が嫌になります

そういえば、昨年の人材育成オペラを観に行ったときのブログを読み返したのですが…

昨年の公演、とっても心をつかまれる舞台だったのです

「若手の歌声ていうのはなんてエネルギーがあるのでしょう。

数年後、私もこの舞台に立てるのでしょうか?

目標に近づいたら…きっと立てるはず。

人材育成オペラ公演!」

と書いてありました

言霊…ここでまた信じるなんて思いませんでした

何年後どころか、一年後じゃないですか

最近、自分が怖すぎます…

もう、横槍にはグラつきません!!

自分を信じること

自分を見こんでくださった先生のご指導を死ぬまで信じてついていくこと

反省点はプラスに変えること

この3つが今後の私の教訓です

私は幸せものなのです

不幸なんかじゃない

2011/10/13 04:43 | uika | No Comments